朝食を抜く若者は「注意力のコントロール」が苦手だった
今回の研究は、香港全域の若者3,154人を対象にした大規模な精神衛生調査の一環として行われました。
対象者は、朝食の頻度について「毎日食べる」から「全く食べない」までの4段階で答え、それに加えて「衝動性」「うつ症状」「不安」「生活の質」などに関する質問にも回答しました。
その結果、次のようなことが明らかになりました。
・14.8%の若者が朝食をまったく取っていない
・朝食を抜く人ほど、衝動的な傾向が高い
・なかでも「注意の衝動性(集中できない、すぐに気が散る傾向)」が強い
・さらに、朝食を抜く人はうつ症状や社会的機能の低下もわずかに強くなる傾向

重要なのは、こうした関連が起床時間(遅起きだから朝食を取らない)といった生活習慣では説明しきれなかったという点です。
分析の結果、朝食を抜く習慣がうつ症状につながるルートのうち、約3分の1(34.2%)は「注意のコントロール力の低下」が介在していたことが判明したのです。
つまり、朝食を抜く人は、集中力が続かず注意が散漫になりやすい傾向があり、それが結果として気分の落ち込みにもつながっている可能性がある、ということです。