赤ちゃんの“目”が映し出す、人間の本質とは?
実験の結果は、どのパターンでも一貫していました。
生後わずか5日という超早期の赤ちゃんたちは、「誰かを助ける行動」や「相手に近づこうとする行動」を見せるキャラクターのほうを、明らかに長く見つめていたのです。
逆に、「相手を押し下げる」「避けて遠ざかる」といった不親切な行動には、それほど注意を向けていませんでした。
つまり赤ちゃんの反応は、ただ動きが派手だからといった単純な理由ではなく、“誰かと誰かが関わる”という社会的な意味があるときに限って起きていたのです。

研究チームは、この現象を「人間の赤ちゃんは、ほとんど何も経験していない段階からすでに、社会的な関係性の質に注意を向けている証拠」だと解釈しています。
言い換えれば、私たちは生まれながらにして、「誰かが誰かに対してどうふるまっているか」を敏感に読み取ろうとする“アンテナ”を持っているのかもしれません。
もちろん、これは赤ちゃんが「道徳的に正しいかどうか」を理解しているという意味ではありません。善悪の判断というよりも、相手が「仲良くしたいのか」「避けたいのか」「助けたいのか」「邪魔したいのか」といった関わり方の意図を読み取る力が、ごく初期から働いていると言えそうです。
こうした力は、おそらく私たち人間が「他人と協力し合って生きる」という社会的な生き物であることと深く関係しています。
協力や信頼がなければ成り立たない人間社会において、誰が味方で、誰がそうでないかを早くから見極められる力は、生存においても大切だったのでしょう。
また、この研究が私たちに教えてくれるのは、「赤ちゃんは、何もわかっていない白紙の存在ではない」ということです。
言葉を話せなくても、自分の手足を自由に動かせなくても、目の前で起きている人間関係をしっかりと観察し、心の中で何かを感じ取っている可能性があるのです。
赤ちゃんがじっとあなたの顔を見ているとき、もしかするとあなたの行動が「優しいかどうか」「人に対してどう接しているか」を、しっかり見て感じ取っているのかもしれません。
そう考えると子供の前での振る舞いは、より慎重にならないといけませんね。
社会的な視線、というよりは生存本能だと思う。
女がピンク・男がブルーを、言葉も話さない内から自然と好むのも、より「らしい」存在になる事で他者から好まれ可愛がられる=生存率が上がる、ことを本能的に察しているからだともいう。
生後5日からその傾向があるならば、本能だろう。
この実験は人種は考慮しなくていいのかな?