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Credit: NOIR Lab(2025)
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ベテルギウス、実は「双子」だった!近くに「伴星」を発見 (2/2)

2025.07.22 12:00:29 Tuesday

前ページ巨星の側に潜んでいた幻の星「シワルハ」

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シワルハの避けられぬ終焉

シワルハは、太陽の約1.5〜1.6倍の質量を持つ、まだ若い星です。

星としての本格的な活動である水素融合を始める前段階の、いわば“生まれたての青白い星”とされています。

一方のベテルギウスはすでに寿命の終わりが近づいており、まもなく超新星爆発を迎えると予想されています。

研究者によると、この2つの星はおそらく同じタイミングで誕生した「双子星」でありながら、片方はすでに人生の終盤、もう片方はまだ歩み出してもいないという、奇妙な時間差を抱えた運命にあるというのです。

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Credit: NOIR Lab(2025)

さらに恐ろしいのは、2つの星の関係が今後ますます緊迫していく可能性が高いという点です。

研究者たちによれば、重力の相互作用――いわゆる潮汐力――により、シワルハは次第にベテルギウスへと引き寄せられ、やがては衝突あるいは呑み込まれる運命にあるというのです。

その“終末”は今から1万年以内に訪れると予測されています。

宇宙のスケールで見れば、ほんの一瞬の出来事です。

爆発によってベテルギウスが中性子星やブラックホールになれば、シワルハはその高エネルギー環境に巻き込まれ、生き残ることは難しいでしょう。

このように、静かな夜空に輝く星々の背後では、想像を絶するような重力のダンスと悲劇のドラマが密かに繰り広げられているのです。

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ベテルギウス、実は「双子」だった!近くに「伴星」を発見 (2/2)のコメント

ゲスト

宇宙はいつ見ても話のスケールが大きくて…。

ゲスト

(関係ないけどソースのpopular scienceってところから幾らでもネタ持って来れそう)

    ゲスト

    年老いたベテルギウスがまだ若いシワルハを取り込んだら若返って超新星爆発回避しないかな?

    ゲスト

    太陽の8倍以上の質量を持つ恒星が最後に超新星になるのは、星の中心部の核でケイ素燃焼過程が進行して最終的にニッケル56が生じ、それ以上熱核反応の燃料となるものが中心部で枯渇する事により、恒星内部の圧力に対抗して中心核が収縮する事を食い止めるエネルギー源が無くなり、中心核が収縮し続けて中性子星に変わるためです。
     現在、ベテルギウスはヘリウム燃焼過程にあると考えられていて、その中心核は既に最初の核融合燃料となる水素を燃やし尽くして、ヘリウムと炭素からなる核が形成されています。
     ベテルギウスがシワルハを飲み込んでも、シワルハの主成分である水素はヘリウムよりも軽いため、ヘリウムと炭素からなる核よりも上層の部分に混ざるだけで、ベテルギウスの中心核にはあまり混ざり込む事はないので、中心核が若返る役には立たず、中心核が若返らなければ超新星までの期間が延長する事もないと思います。(ベテルギウスのような赤色巨星の段階にある恒星では、外層部の対流が、核融合を起こしている核の表層にまで及んでおり、核内部の物質の一部が外層部に混ざり込む事が知られていますが、「外層部の物質が核内部に混ざ込んで核内で水素の核融合が継続する」という事にはならないようです)
     それどころかシワルハを飲み込む事でベテルギウスの質量が増し、質量が増えれば中心核に加わる圧力も増す事で、中心核の密度と温度も上昇しますから、中心核におけるヘリウム燃焼を始めとする熱核反応も活発化して、中心核に存在する核融合の燃料となる物質の消費速度が増えるため、核融合の燃料を燃やし尽くして中性子星が生じるまでの時間、即ち超新星になるまでの時間が短くなると考えられます。

ゲスト

>爆発によってベテルギウスが中性子星やブラックホールになれば、シワルハはその高エネルギー環境に巻き込まれ、生き残ることは難しいでしょう。

とありますが、ベテルギウスの中心核はまだヘリウム燃焼の段階であると考えられており、その事から超新星になるまでにはあと10万年以上の時間を要すると考えられており、150万年以上かかるとする説すらありますから、

>重力の相互作用――いわゆる潮汐力――により、シワルハは次第にベテルギウスへと引き寄せられ、やがては衝突あるいは呑み込まれる運命にあるというのです。
>その“終末”は今から1万年以内に訪れると予測されています。

という予測が正しければ、シワルハがベテルギウスの超新星爆発に巻き込まれる可能性は無いという事になります。
 もし仮にシワルハがベテルギウスに落下するまでの時間が予測よりも遥かに長く、ベテルギウスが超新星爆発を起こすまでシワルハが生き残っていた場合、「現在見つかっている恒星質量級のブラックホールの大部分は、伴星から剥ぎ取られたらガスによって形成された膠着円盤からの放射を観測する事で発見されたものである」という事から考えて、たとえ主星が超新星爆発を起こしたとしても伴星は生き残ると考えられますから、シワルハもまた生き残ると考えられます。
 その場合、ベテルギウスの質量だとブラックホールにはなれず、残るのは中性子星であり、中性子星は半径が10km程度と極めて小さい事と、表面重力が千億gレベルと極めて強い事などから、シワルハの潮汐力程度では殆ど変形しないため、シワルハの公転周期に影響を与えるような潮汐効果は殆どありませんし、たとえ潮汐効果があったとしても誕生直後の中性子星の自転周期は1秒よりも遥かに短く、シワルハの公転周期よりも短いため、シワルハの公転を加速する方向に働くため、少なくともシワルハは老年期になって巨星化するまでは生き残ると考えられます。

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