リュウグウはいつ誕生したのか?
小惑星リュウグウは、JAXAの探査機「はやぶさ2」によって地球にサンプルが持ち帰られたことで注目を集めました。
そのサンプルには約40℃の低温の水溶液から生成された鉱物が多く含まれており、かつてリュウグウ内部に水が存在していたことを物語っています。
その生成年代はは約45億6200万年前と推定されていました。
しかし、これらの主要な鉱物はすべて“二次的”にできたものであり、「リュウグウ」を作った最初期の原材料物質そのものが「いつ」形成されたのかは、これまで明らかになっていませんでした。

その謎を解く鍵を握るのが、「CAI(カルシウム・アルミニウムに富む包有物)」と呼ばれる鉱物です。
これは太陽系誕生直後の高温(1000℃以上)の領域で最初に結晶化した固体物質で、隕石中に含まれていることも知られています。
ところが、リュウグウや同型の隕石では、このCAIが非常に小さく(直径0.01~0.02mm)、しかも非常に稀にしか見つかりません。
そのため、リュウグウの成り立ちや、どの領域で誕生したのかを確かめるのは長らく困難でした。