あなたも仕事のスピードアップが可能
仕事をスピードアップさせるための残りの3つの要素を考えてみましょう。
ポイント3:作業を遅らせている要素を切り離す

ときには、特定の要素に固執しすぎて全体の進行が止まってしまうことがあります。
ボイズ博士は、自らの経験として、ニュースレターに添えるAI画像を作成する際、その画像に「二人の幼児」と「12本の動物の脚」を含めたいと考えました。
その結果、10回以上プロンプトを変えても「12本の動物の脚」の画像がうまく生成できず、時間だけが浪費され、イライラしました。
しかし、実は、その要素は本質的には必要ありませんでした。
条件を「猫の絵」に変えた途端、2分で完成。
ニュースレターに沿える画像にそこまでこだわる必要はなかったのです。
この経験から、固執している要素が本当に必要か見極め、不要なら思い切って切り離すことが重要だと分かります。
ポイント4:「もっと簡単に進められる」状況を想像する
タスクや決断が重く感じる背景には、心理的な障壁があります。
そこで博士は、「もしこうだったらもっと簡単に進められる」というシナリオを想像し、その条件を部分的に再現することを勧めます。
例えば、次のような条件では、決断が楽になるかもしれません。想像してみてください。
- 結果が事前に分かっている
- 選択肢が少ない
- 他人のために決断する(感情的負担が少ない)
- 必要なお金や時間が少ない決定である(低リスク)
- 緊急性があった(迷う余地が少ない)
こうした「決断が簡単な要素」を想像できると、今の自分を何が阻んでいるのかよく理解できます。
理解できたなら、その「障壁」を回避するよう工夫できます。
ポイント5:「考えすぎ=責任感」と錯覚しない

多くの人は「悩む時間が長い=丁寧で責任感がある」と思い込みがちです。
しかし実際には、考えすぎには大きな機会損失が伴います。
1日に10分だけ考えすぎた場合、年間で60時間以上を失っている計算です。
さらに、考えすぎが習慣化すると、決断の遅いスタイルがデフォルトになってしまいます。
博士は代替行動として、柔軟性を発揮することを推奨します。
そして、柔軟性はオーバーシンカー(考えすぎる人)の強みでもあります。
なぜなら彼らは、生まれつき「複数の選択肢を考える意欲」を持っているからです。
あとは、それを「実行に移す」ことに意識を向けることで、真価を発揮できます。
ここまでで、アリス・ボイズ博士が提案する「仕事をスピードアップする5つのヒント」を考慮しました。
これらは、単に「早く決める」ためではなく、質を保ちながら決断と行動を加速させるための実践的戦略です。
日常の意思決定に取り入れるなら、「動けない完璧主義」から抜け出し、より軽やかに、効率的に物事を進められるようになるでしょう。