ミドリムシは動物?植物?
ミドリムシは、小中学校の理科の授業でミジンコなどと一緒に顕微鏡で観察されることが多い、よく知られた微生物です。
ミドリムシは約50マイクロメートルの大きさの単細胞生物で、植物のように葉緑体を使って光合成を行う一方、体の形を柔軟に変えて動物のように動き回る性質も持っています。
このため、長い間、植物と動物の両方に属する特殊な生物として分類されてきました。
しかし近年の研究では、ミドリムシのような生物のいくつかは「元々は動物細胞だったものが藻類を飲み込むことで光合成能力を獲得した」とする考えが一般的になりつつあります。
かつては、どっちつかずだったミドリムシも、少しずつ進化の系譜がわかってきたと言えるでしょう。
現在、ミドリムシの仲間は120種以上が知られており、多くは水田や沼、湖など、流れの少ない淡水や、わずかに塩分を含む水域に生息しています。
ほとんどのミドリムシは紡錘型(細長い形)をしており、ペリクルと呼ばれるタンパク質でできた膜に覆われていて、らせん状の溝が刻まれています。
細胞の端には、鞭毛(べんもう)という細いひも状の構造があり、これを回転させて水中を動きます。
また、光、温度、酸素濃度に応じて、好ましい方向に進む「走性」を持っています。
しかしなぜ、このミドリムシがジェット燃料として注目されるようになったのでしょうか。