「いるのか、いないのか」が不明だったスナネコを探す
スナネコ(Felis margarita)は、食肉目ネコ科ネコ属に分類される小型の野生ネコです。
砂漠地帯にすむネコ科動物として知られ、明るい砂色の毛、大きな耳、そして毛に覆われた足裏など、過酷な砂漠で生きるための特徴を備えています。
足裏の毛は、熱い砂の上を歩くときの断熱や滑り止めに役立つと考えられ、耳の内側の毛は砂の侵入を防ぐとされています。
一方で、その「砂漠仕様」の体は、人間の目から隠れるためにも非常に都合がよいものでした。
スナネコは砂地に溶け込みやすく、主に単独で夜に活動するため、広大な砂漠で見つけるのは簡単ではありません。
実際、リビアにおけるスナネコの存在は長い間あいまいでした。
過去には「リビアにもいる可能性がある」とする記述があったものの、具体的な場所や物的証拠を伴う記録は乏しく、研究者の間でもリビアを分布域に含めるかどうかで判断が分かれていました。
そんな状況を動かしたきっかけとして報じられているのが、2017年にYouTubeへ投稿された1本の動画でした。
野生動物写真家Mohammed Saed Husayn Almuntasir氏が撮影したその映像には、日陰の植物の下で休むスナネコの姿が映っていました。
しかし撮影地は、スナネコの確実な生息地とはされていなかったリビアです。
当初、この動画が本当にリビアで撮影されたものだとは、なかなか信じてもらえなかったといいます。
それでもAlmuntasir氏は、リビアには複数の場所にスナネコがいると主張し続けました。
この情報に注目した研究者たちは、現地での記録を科学的に確かめるため、調査を進めることにしました。
研究チームは、リビア南西部を中心に、直接観察、写真や動画、現地の人々への聞き取り、博物館標本や生物多様性データベースの確認を組み合わせました。
リビア南部は、政情不安、遠隔地であること、厳しい砂漠環境のため、これまで十分な野外調査が難しい地域でした。
そのため今回は、現地をよく知る住民や協力者の観察経験も重要な手がかりになりました。
その結果、研究チームは写真・動画を伴う記録を含め、リビア南西部の13地点でスナネコの存在を報告しました。
では、その記録は何を意味していたのでしょうか。
より詳細な結果は次項で見ていきます。




























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