南西部はスナネコの重要な生息拠点かもしれない
今回の研究で最も重要なのは、これまで曖昧だったリビアのスナネコの存在が、写真や動画を含む記録によって初めて裏づけられたことです。
つまりこれは、新種の発見ではありません。
これまで証拠が不足していた国で、生息が確認されたという成果です。
論文によると、スナネコの確認記録は13地点に及び、すべてリビア南西部のサハラ砂漠地域に集中していました。
なかでも、野生動物写真家Mohammed Saed Husayn Almuntasir氏は、スナネコを24回直接観察しており、2017年のオスと2024年のメスについては高解像度写真も残されています。
また、別の著者も2022年に写真と動画を撮影しており、単発の目撃ではなく、複数の場所と時期にまたがる記録が積み上げられました。
研究チームは、これらの分布データをもとに、リビア南西部が同国におけるスナネコの中核的な生息地、あるいは重要な拠点である可能性を示しています。
スナネコが利用していた環境は、砂砂漠、砂と石が混じる砂漠、乾いた川床でした。
これは、スナネコが単なる「何もない砂丘」だけでなく、乾燥地に適応した植物や、地形の変化がある場所も利用していることを示しています。
さらに今回の調査では、Saharan striped polecat(Poecilictis libyca、サハラにすむイタチ科の小型食肉類)についても、8地点で新記録が得られました。
そのうち7地点は、IUCNが示していた既知の分布域の外でした。
つまり、リビア南西部では、スナネコだけでなく、砂漠にすむ小型食肉類の分布そのものが大きく見落とされていた可能性があります。
ただし、明るい話だけではありません。
研究では、スナネコがペットとして、Saharan striped polecatが伝統医療目的で市場に出回っているとの報告も示されました。
これは、違法取引や不適切な利用につながるおそれがあります。
だからこそ研究チームは、今後も野外調査を続けること、地域住民への啓発や保護策を進めることが必要だと訴えています。
1本のYouTube動画から始まった発見は、リビアの砂漠にまだ知られていない命の地図が眠っていることを教えてくれます。




























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