キムチは血糖値や中性脂肪、高血圧に効果あり
解析の結果、発酵キムチを定期的に摂取することで、いくつかの重要な健康指標が有意に改善することが分かりました。
まず「空腹時血糖値」は、キムチ摂取群で平均1.93mg/dL低下しました。
これは血糖値が高めの人にとっても臨床的な意味がある改善です。
また、「血液中の中性脂肪値(トリグリセリド)」は、キムチ摂取群で平均28.9mg/dLの有意な低下が示されました。
同様に「収縮期血圧」は3.48mmHg低下、「拡張期血圧」は2.68mmHg低下が見られました。
研究チームの1人であるコネチカット大学の栄養学教授Ock Chun氏は、この結果に対して次のように述べています。
「臨床現場では、収縮期血圧が5mmHg下がるだけでも治療効果があったと考えられています。
薬を使わずに食事介入だけで3~4mmHg下がるのは、臨床的にも非常に有望な数字です」
さらに、メタ分析に含まれた前向きコホート研究では、キムチをよく食べる人ほど「がん」や「メタボリックシンドローム」の発症が少ない傾向も報告されています(この部分は因果関係ではなく、関連としての知見です)。
加えて、2024年に行われた韓国の大規模観察研究(40~69歳男女、約11万人)では、男性で白菜キムチ摂取と肥満の少なさ、また男女とも大根キムチの摂取と腹部脂肪の少なさとの関連が示されています。
では、なぜキムチを食べることでこのような効果が表れるのでしょうか。
一番のポイントは「キムチの複合的な作用」だと考えられます。
まず、キムチには塩分も多いですが、それ以上にカリウムが含まれています。
カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿として排出する働きがあるため、この働きが効果的だった可能性があります。
また発酵による乳酸菌や善玉菌の作用も考慮できます。
発酵キムチは乳酸菌などのプロバイオティクス(善玉菌)が豊富です。
これが腸内環境を整え、腸からの脂質吸収や代謝を改善し、また体内のナトリウム排出も助けていると考えられます。
このように、今回の研究はキムチの健康効果に科学的根拠があることを明らかにした点で意義がありますが、注意も必要です。
たとえば、対象となった研究のほとんどが韓国人であり、日本や欧米、他の食文化や体質を持つ人々で同様の効果が得られるかは、まだはっきりしていません。
それでも、「キムチが血糖・脂質・血圧など現代人の生活習慣病リスクを下げる可能性が高い」という科学的エビデンスが示されたのは大きな前進です。
日々の食生活でキムチを取り入れることが、健康維持やメタボ・生活習慣病予防に役立つ可能性があり、今後のさらなる研究に期待が寄せられます。
胃腸が弱い私にはちょっと刺激の強すぎる食品ですね。
カレーも甘口でないと食べたあと気持ち悪くなるような人間ですから。