古くて新しい漢方薬の科学的再評価

防風通聖散はどのようにして脂肪を抑えるのでしょうか。
その答えを得るために、研究チームは若いマウスと高齢マウスに高脂肪のエサを与え、一部のグループには防風通聖散エキス(2%混合)を28日または62日間加えました。
その結果、高齢マウスでは防風通聖散を与えなかった場合に比べて、体重の増加が約50%抑えられました。
お腹の中の脂肪(内臓脂肪)と皮下脂肪の量も有意に減り、肝臓の重さが軽くなって中性脂肪の量も下がりました。
さらに血液中の肝臓由来の酵素(ASTやALT)の値が改善し、肝細胞にたまっていた脂肪の粒も顕微鏡で明らかに減りました。
つまり、この漢方はお腹の脂肪と肝臓の脂肪の両方に作用していたことになります。
では、なぜ漢方薬でここまでの変化が見られたのでしょうか。
そのカギは「脂肪を燃やすスイッチ」にありました。
脂肪細胞には白色と褐色の2種類がありますが、褐色脂肪細胞は脂肪を燃やして熱を生み出す“体内のストーブ”のような存在です。
高齢マウスではこの褐色脂肪が弱まり、燃焼の鍵となるUCP1というたんぱく質の量が若い頃より減っていました。
防風通聖散を与えると、このUCP1の低下が有意に抑えられたのです。
言い換えれば、年齢とともに小さくなっていた“脂肪燃焼の火”が再び灯ったということです。
実験結果から、防風通聖散は年齢によって落ちていく脂肪燃焼力そのものを高めたというよりも、その低下を防いだことで内臓脂肪や肝臓の脂肪の蓄積を抑えたと考えられます。
さらに興味深いことに、18種類の生薬のうちどれが効いているのかを調べるため、各生薬のエキスを培養した細胞で試す実験も行われました。
その結果、連翹(れんぎょう)、荊芥(けいがい)、大黄(だいおう)などが肝臓の細胞にたまる中性脂肪を減らす働きを示しました。
防風通聖散は多くの生薬の組み合わせでできていますが、こうして“主役候補”が見えてきたことで、どの生薬が脂肪燃焼スイッチを支えているのかが少しずつ明らかになってきました。
今回の研究は、加齢で落ちた脂肪燃焼の力を保つことで、内臓脂肪や肝臓の脂肪を同時に減らせる可能性を示しました。
これは「年だから太るのは仕方ない」と感じていた人たちにとって、新しい希望の光になるかもしれません。
社会的にも、中高年のメタボリックシンドローム対策や脂肪肝の予防に役立つ、重要な前臨床の成果といえます。
防風通聖散は市販の一般用医薬品としても使われていますが、今回の研究はその効果を裏付ける科学的な基礎データの一つを示したといえます。
将来的には、この知見を応用して年齢に合わせた肥満対策や新しい治療薬の開発につながる可能性もあります。
また、この研究は令和7年度生薬学会論文賞を受賞しました。
この賞は令和6年度にJournal of Natural Medicines誌に掲載された論文の中でも学術上特に優れた内容を有すると認められた論文に贈られるものです。
こうした評価は、この研究が信頼性の高い科学的成果であり、肥満やメタボ対策に新たな道を開く可能性を示していることを物語っています。
























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