恐竜たちは泳ぎながら移動していた
カレラス・パンパの足跡が特に興味深いのは、単に数が多いだけでなく、そこから恐竜たちの具体的な行動が読み取れる点です。
研究チームが連続した足跡の列の向きを詳しく解析したところ、多くの足跡列が北西向から南東向きという、ほぼ同じ軸上に集中していることが分かりました。
これは恐竜たちがばらばらの方向に迷い歩いていたのではなく、古い海岸線や湖岸に沿って一定のルートを移動していたことを示します。
同じ方向にほぼ平行に伸びる足跡の列が多数あることから、複数の個体がある程度まとまって移動していた、つまり群れのような行動をとっていた可能性も高いと考えられています。
また、足跡の間隔や歩幅から、歩く速さを推定することもできます。
相対歩幅が大きい足跡列が多いことから、この場所を通った獣脚類の多くは、ゆっくり散歩していたというより、やや急ぎ気味のペースで移動していたと判断されています。
水辺に沿って決まった方向に速めの速度で移動していたという事実だけでも、当時の景色をかなり具体的に思い描くことができます。
そして行動のバリエーションも豊かです。
一部の足跡の列は途中で進行方向を大きく変えており、途中で何かを避けたり環境の変化に応じて曲がったりしたことを示しています。
こうした中でも、世界的に注目されているのが「泳ぎながらつけた足跡」です。
カレラス・パンパでは、水中でつま先だけが底に触れた結果できた細長いひっかき傷のような痕跡が多数見つかり、泳いだ結果残った連続した足跡の列が280本、個々の泳ぎ痕は1378個に達します。
長い溝と短い溝が左右交互に並ぶパターンが続いていることから、研究者たちはこれを獣脚類が水中を泳ぎながら前進した軌跡だと判断しています。
多くの泳ぎながらつけた足跡の列が、歩いてつけた足跡の列と同じく古い岸辺とほぼ平行な方向を向いていることから、浅い水辺を泳ぎながら岸に沿って進んでいた場面が浮かび上がります。
さらに、いくつかの足跡列の後ろには、尾を引きずった痕跡がはっきりと残っています。
深く沈み込んだ足跡の直後に尾の溝が続く場合もあり、柔らかい泥に足を取られた恐竜がバランスを取るために尾を地面につけていた可能性があります。
一方で浅い足跡と組み合わさる例もあり、歩き方や体勢の変化によって尾がときどき地表に触れていたケースもあったと考えられます。
尾跡が足跡とセットではっきりと残る例は世界的にも少なく、カレラス・パンパはこの点でも貴重なデータを提供していると言えます。
そして地層の積み重なり方から見ると、 長い年月を通じて少しずつ足跡が溜まったわけではなく、短い期間に多くの獣脚類が同じ場所を移動した結果が、一枚の地面にぎゅっと詰め込まれたものだと考えられます。
1万6000を超えるカレラス・パンパの足跡群は、白亜紀末の水辺で恐竜たちがどのように歩き、走り、泳ぎ、時には尾でバランスを取りながら移動していたのかをとらえた「スナップショット」なのです。

























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