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南アフリカ沖のケープペンギンが激減 / Credit:Canva
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南アフリカ沖のペンギンが8年で95%減少、原因は「餓死」 (2/2)

2025.12.05 17:00:25 Friday

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どうしてケープペンギンたちは餓死したのか

では、なぜ2004年以降に換羽期を乗り越えるだけの体力を蓄えられない個体が急増したのでしょうか。

研究チームが示した最大の要因は、ケープペンギンが主要な餌として依存しているイワシ資源の崩壊です。

2004年から2011年の間、西岸におけるイワシの資源量はほぼ毎年、最大値の25%以下という極端に低い準で推移していました。

イワシが減少した背景には海水温や塩分の変化があり、これによってイワシの産卵場が長年の主要地であった西岸から南岸へ移動していました。

その一方で漁業の中心は依然として西岸にとどまり、産卵場の変化に漁獲構造が追いつかなかったことで資源の再生産がさらに妨げられました。

研究者たちは、この影響はダッセン島とロベン島に限られず、南アフリカ全域のコロニーで同様の減少傾向が確認されていることも指摘しています。

では、絶滅の危機にあるこのペンギンを守るためには何が必要なのでしょうか。

研究チームは、ケープペンギンの回復にはイワシ資源の再生が不可欠であり、若いイワシの死亡率を下げる漁業管理が重要だと述べています。

また、主要繁殖地周辺を禁漁区として保護し、人工巣の設置や救護活動などによって直接的にペンギンを支援する取り組みも進められています。

このようにケープペンギンの危機は、海洋環境の変化と人間活動の影響がいかに密接に結びついているかを示す象徴的な事例といえます。

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