昆虫も楽観的になるのか
昆虫は人間のような表情を見せません。
そのため長い間、昆虫の行動は主に反射的かつ機械的に説明されることが多く、私たちが想像するような「気分」や「感情」に注目する研究は限られていました。
しかし2010年代以降、昆虫にも楽観的あるいは悲観的な方向へ傾くような内的状態が存在する可能性が示され始めました。
その有力な手がかりになっているのが、動物の内部状態を推測するための「判断バイアス(judgment bias)」という方法です。
判断バイアスは、人間で言えば曖昧な状況に置かれたときの反応の違いを見て気分の方向を推測するようなテストに近い発想です。
まず動物に、良い結果につながる刺激と、良くない結果を示す刺激を学習させます。
そのうえで両者の中間となる“曖昧な刺激”を提示し、どれくらい積極的に近づくかを見ます。
もし曖昧な刺激に対して素早く向かうなら楽観的(ポジティブ)であり、慎重になれば悲観的(ネガティブ)だと考えられます。
マルハナバチでは、2016年にこうした判断バイアスを用いた研究が報告され、予想外に砂糖滴を与えられた蜂が、曖昧な色の花により積極的に向かう “楽観状態” を示すことが知られていました。
この知見は、昆虫にも状況に応じて変化する内部状態がある可能性を示す重要な手がかりでした。
そこで今回の研究チームが掘り下げたのは次の問いです。
個体のポジティブな内部状態は、その場にいる仲間へも伝わるのでしょうか。
もし伝わるなら、昆虫の社会行動や集団の意思決定は、私たちの想像よりも繊細な“雰囲気の共有”に支えられているかもしれません。
この問いを明らかにするために、セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)を対象に、1匹の蜂のポジティブ状態が、別の蜂の判断バイアスへ移るかどうかを検証することにしました。





























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