マルハナバチの「ポジティブ状態」は仲間に伝播する
研究者たちはまず、蜂に色の異なる人工の花を学習させました。
ある色は砂糖水のある“当たり”で、別の色は砂糖水のない“外れ”です。
これによって蜂は、色に応じた期待を持つようになります。
次にデモンストレーター役の蜂に、予想外の砂糖滴を1滴だけ与えました。
この“ささやかなサプライズ”によって、デモンストレーターは楽観的な判断バイアスを示すポジティブ状態に入ります。
問題はここからです。
この蜂と、何の報酬も受けていない観察者の蜂を、狭い空間で30秒だけ一緒にさせます。
その後、観察者の蜂だけを取り出し、中間色の花を提示して反応を調べました。
結果ははっきりしていました。
観察者の蜂は砂糖をもらっていないにもかかわらず、曖昧な色の花に対してより素早く、そしてより積極的に反応したのです。
まるで自分自身がサプライズの砂糖滴を受け取ったかのような“前向きな判断”が観察されました。
これは単なる興奮や模倣ではなく、判断バイアスの方向そのものが移ったことを示す現象だと解釈されています。
では、このポジティブ状態は何を通じて伝わったのでしょうか。 研究者は条件を変えた比較実験を行いました。
その結果、透明な仕切りを入れて、互いに見えるが触れない、匂いも届きにくい状況にした場合でも、観察者のポジティブな変化は起きました。
一方で完全な暗闇にして、触れたり匂いを感じたりできても見えない状況では、この変化が消えました。
この違いから、今回の伝播には視覚情報が不可欠であると考えられます。
とはいえ、観察者の蜂が具体的にどのような視覚的手がかりで仲間の状態を読み取っているのかは、今後の検証が必要です。
では、今回明らかになった現象には、どんな意味があるのでしょうか。
研究者は慎重な姿勢を保ちながらも、ポジティブ状態の伝播には巣全体にとっての利益があり得ると考えています。
もし1匹の蜂が外界の良い兆しを体験し、その前向きな状態が周囲へ広がれば、より多くの蜂が探索に向かいやすくなり、結果として資源獲得の機会が増えるかもしれません。
逆に、危険やストレスに関係するネガティブ状態も同じように伝わるなら、集団として警戒を強める仕組みにもなり得ます。
そして何より重要なのは、情動の伝染に相当する現象が昆虫で実証された点です。
小さな脳を持つ昆虫が、短い視覚的なやり取りだけでこうした変化を起こす事実は、動物の心の理解だけでなく、効率的な情報処理の手がかりとして今後の研究や技術分野にも影響を与えるかもしれません。





























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