放射線に強い菌を食べたら放射線耐性が得られるのか?

放射線と聞けば有害で命を縮めるものだと誰もが思います。
実際、強烈な電離放射線(細胞を壊しやすい強い放射線)は生体のDNAを傷つけ、切断などを起こし、細胞分裂の盛んな組織を中心に深刻なダメージを与えます。
とりわけ腸(消化管)のような臓器は放射線による障害を受けやすく、ヒトでも高線量被曝時に腸の粘膜が傷つくことが知られています。
高線量の放射線は、生き物の寿命を大幅に縮めてしまう恐ろしいものなのです。
しかし自然界には、そんな放射線の下でも平然と生き延びる生物が存在します。
例えばチェルノブイリ原発事故の原子炉(施設)から、驚くべきことに高い放射線下で繁殖する菌類(カビ)が発見されています。
その後も、多くの菌類が自然界では考えられないほど強い放射線に耐えて増殖できることが報告されてきました。
放射線が降り注ぐ暗闇の中で、生命がしたたかに適応していたのです。
中でもAureobasidium pullulans(オーレオバシジウム・プルランス)という真菌はチェルノブイリ原子炉の内部や国際宇宙ステーションの中にまで生息できるポリ極限耐性(極限環境に強い)なカビとして知られています。
(※最近の研究では、この菌を2年間ほど宇宙空間に晒しても生存できたという報告も上がっています。)
通常は白っぽい見た目の菌糸ですが、強い放射線などストレス下ではメラニン(黒い色素)を産生して自らを黒く染め、その黒さが生存に役立つ可能性があると考えられています。
もう一種、Rhodotorula taiwanensis(ロドトルラ・タイワネンシス)という真菌も高い放射線耐性を持ち、強い酸性の水がたまる場所(酸性鉱山排水)で見つかった菌として知られています。
そこで今回研究者たちは、これらの放射線耐性菌をエサとして他の生物に食べさせたら、その生物も放射線に強くなるのかを実験で確かめることにしました。
頭の悪い発想だと笑ってはいけません(後述)。
それができるのは実験しなくても結果を知っている「存在」だけです。
それにもし本当に「食べるだけで放射線に強くなれる」のだとしたら、そのメカニズムを解明することで人にも役立つ手がかりが得られる可能性もあるのです。





























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