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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

4億年前の化石が物語る「植物が巨大化」できた秘密とは?

2025.12.25 12:00:29 Thursday

私たちの身の回りには、高さ数十メートルにも達する樹木が当たり前のように存在しています。

しかし、植物の祖先はもともと、地面すれすれに生きる数センチほどの小さな存在でした。

では、植物はいったい何をきっかけに「巨大化」への道を歩み始めたのでしょうか。

その手がかりを与えてくれるのが、スコットランドで見つかった約4億年前の化石植物です。

この古代植物の内部構造を最新技術で調べた研究が、植物進化の常識を大きく揺さぶっています。

A 400-million-year-old fossil is revealing how plants grew into giants https://www.nhm.ac.uk/discover/news/2025/december/ancient-fossil-reveals-how-plants-grew-into-giants.html

植物はなぜ大きくなれなかったのか

植物が大きく成長するために欠かせないのが、体内で水や栄養を運ぶ「維管束系」です。

これは動物でいえば血管のような役割を果たし、根で吸い上げた水やミネラル、葉で作られた糖などを全身に届けます。

現在の植物では、この維管束系は大きく二つに分かれています。

水とミネラルを運ぶ「木部」と、糖などの栄養を運ぶ「師部」です。

この分業体制があるからこそ、植物は高く、太く成長できます。

しかし、植物が陸上に進出したばかりの頃、この仕組みはまだ完成していませんでした。

初期の陸上植物は、体内で物質を効率よく運ぶ能力が低く、大きくなりたくてもなれなかったのです。

長らく研究者たちは、藻類が進化してコケ植物のような姿になり、そこから維管束植物が生まれたと考えてきました。

ところが近年の遺伝学的研究により、「植物の共通祖先はコケ植物でも維管束植物でもなかった可能性」が浮上します。

問題は、その正体が長く分からなかったことでした。

次ページ4億年前の植物が示す「途中段階」

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