■コウモリが音で環境を知るように、盲人の中にもエコーロケーションを使って周りの物体を感知できる人たちがいる
■エコーロケーションの「達人」8人に協力してもらい、その能力について調査
■能力は想定よりも高く、人間では聴くことが不可能とされる音も感じ取っていた
音の反響により周囲の環境を察知する「エコーロケーション (反響定位) 」。「音で視る」と表現されることもあります。
イギリスとオランダ、アメリカの研究チームが、盲人のエコーロケーションの精度が、想定していたよりも高かったことを明らかにしました。
Human echolocators adjust loudness and number of clicks for detection of reflectors at various azimuth angles
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/285/1873/20172735
コウモリが飛行進路を決める際や、獲物を捉えるためにエコーロケーションを使っているのは有名ですが、人間の盲人の中にもエコーロケーションを使う人がいます。
彼らは口から鋭い音を出し、その反響を聴くのです。
この技術は部屋のどこにイスがあるのかを認識したり、ドア枠の低い段にぶつかるのを避ける時などにも使えるといいます。
しかし人間が使うエコーロケーションの実態はこれまで、ほとんど明らかになっていませんでした。
そこで、そういった「人のエコーロケーション」について詳しく調べるために、研究チームは8人の盲人である「エコーロケーションの達人」の協力を得ました。
実験では、実験用の道具以外何もない防音の部屋で、「棒に取り付けられた板」の場所を参加者に当ててもらいました。
参加者の耳のそばには「マイク」が取り付けられ、本人が発したり跳ね返って戻ってきた音が録音されました。実験中、参加者には頭を動かさないようにしてもらい (ふだん彼らは、歩いている時により反響を捕らえやすいように頭を振る) 、部屋の中の4箇所の内1箇所に立てられた「板」の場所の特定を試みてもらいました。
参加者が最もうまく位置を特定できたのは、それが彼らの「真正面」にある時で、8人の参加者全員が常に場所を正確に言い当てました。また、「45°〜90°の角度」に板が置かれた場合も、うまく場所を特定することができました。
問題だったのは、板が「後方」に置かれた場合です。135°の角度に置かれたとき、その位置を特定できたのは80%の確率でした。そして板が真後ろに置かれると、その確率は50%にまで減少したそうです。
このように人間のエコーロケーションは対象物の場所によって精度にバラつきがみられたものの、参加者は人間には聴くことができないとされていた「弱い反響音」を聴いていたという事実です。
これは、彼らの脳が「新たな感覚入力の形態」の使用に適応していることを示しています。
実在する6本指を操る人には+αの脳領域が見つかりましたし、人間の秘めた能力には目を見張るものがありますね。





























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何人に一人が持つ能力なのですか?