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世界最古の銛、「5000年前の捕鯨」の証拠を発見。イメージ / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

世界最古の銛は「人類が5000年前から捕鯨してきた」ことを明らかにする

2026.01.14 11:30:52 Wednesday

巨大な海の生物「クジラ」を狩るという行為はいったいいつから行われてきたのでしょうか。

スペインのバルセロナ自治大学(Universitat Autònoma de Barcelona:UAB)の研究チームは、南米ブラジル沿岸で人類がすでに5000年前から捕鯨を行っていたことを示す決定的な証拠を発見しました。

この研究は、捕鯨の起源を寒冷な北半球に限定してきた従来の見方を根本から問い直すものです。

本研究は2026年1月9日付の科学誌『Nature Communications』に掲載されました。

World’s Oldest Harpoon Shows Humans Have Hunted Whales For 5,000 Years, Way Longer Than Thought https://www.iflscience.com/worlds-oldest-harpoon-shows-humans-have-hunted-whales-for-5000-years-way-longer-than-thought-82185 Whale hunting in South America began 5,000 years ago, a millennium earlier than previously thought https://www.uab.cat/web/sala-de-premsa-icta-uab/detall-noticia/whale-hunting-began-5-000-years-ago-in-south-america-a-millennium-earlier-than-previously-thought-1345819915004.html?detid=1345974492252
Molecular and zooarchaeological identification of 5000 year old whale-bone harpoons in coastal Brazil https://doi.org/10.1038/s41467-025-67530-w

捕鯨はいつ始まったのか?ブラジル南部を調査

これまで考古学では、大型のクジラを計画的に狩猟する捕鯨は、およそ3500〜2500年前、北極圏や北太平洋といった寒冷地域で始まったと考えられてきました。

南半球でもクジラの骨は見つかっていましたが、海岸に打ち上げられた個体を、たまたま利用しただけと解釈されることが多かったのです。

今回の研究が注目したのは、ブラジル南部サンタカタリーナ州のバビトンガ湾周辺に広がる「サンバキ」と呼ばれる巨大な貝塚遺跡群です。

これらは、貝殻や魚・動物の骨、人の骨などが何世代にもわたって積み重なってできた、沿岸社会の生活の記録です。

しかし、その後の開発や都市化によって多くの遺跡が失われてしまい、現地で当時の様子を直接調べることは難しくなっています。

そこで研究チームは、ブラジルのサンバキ考古学博物館に保存されていたクジラの骨や骨製の道具に着目しました。(※画像はこちら。プレスリリース

まず、骨の形や削られ方から、どの動物のどの部位か、人の手で加工されているかを調べる動物考古学の方法が使われました。

さらに、骨にわずかに残ったコラーゲンの分子パターンを質量分析で読み取り、動物の種類を特定する分子レベルの手法も用いられました。

一部の銛状の骨製品については、放射性炭素年代測定によって、作られた年代が直接調べられています。

その結果、数百点におよぶ資料の中から、クジラの骨を素材とした大型の銛の部品や、明確な解体痕をもつクジラの骨が見つかりました。

これらが何を意味するのか、より詳しい結果を見ていきましょう。

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