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運動が老化した筋肉をどのように修復するか解明 / Credit:Canva
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【老化に抗う】運動で”若々しい筋肉”を保てるメカニズム解明

2026.01.21 11:30:33 Wednesday

年齢を重ねても、運動を続けている人はどこか若々しく見えるものです。

それはなぜでしょうか。

外見だけでなく、筋肉の中でも本当に「若い状態に近づく」ような変化が起きているのでしょうか。

シンガポールのDuke-NUS Medical Schoolの研究チームは、運動が高齢の筋肉で乱れた仕組みを立て直し、修復する力を取り戻させる分子メカニズムを明らかにしました。

筋肉の老化と運動効果をつなぐ重要な経路が見えてきたのです。

この研究は2025年11月24日付の『Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』に掲載されました。

Exercise rewinds muscle aging by restoring repair and growth power https://newatlas.com/health-wellbeing/anti-aging-muscle-repair/ Duke-NUS scientists uncover how exercise helps ageing muscles repair themselves https://www.duke-nus.edu.sg/newshub/media-releases/deaf1
Exercise suppresses DEAF1 to normalize mTORC1 activity and reverse muscle aging https://doi.org/10.1073/pnas.2508893122

筋肉は「作る」と「捨てる」を同時に管理している

私たちの筋肉は、一度作られたら終わりではありません。

日常生活や運動によって常に細かな傷がつき、そのたびに修復と作り替えが行われています。

このとき大事なのが、「新しいタンパク質を作ること」と「古く傷んだタンパク質を分解して捨てること」のバランスです。

このバランスを統合的に管理しているのが、mTORC1と呼ばれる細胞内の成長制御経路です。

mTORC1は、今が「筋肉を増やすとき」なのか、それとも「一度休んで片づけをするとき」なのかを判断する司令塔のような役割を持っています。

若い筋肉では、必要な分だけタンパク質を合成し、同時に不要になったものをきちんと処理することで、しなやかさと強さを保っています。

ところが加齢とともに、この仕組みに異変が起こります。

高齢の筋肉ではmTORC1が慢性的に過剰に働き、「作れ」という指示ばかりが強くなってしまうのです。

一見すると筋肉にとって良いことのようですが、「捨てる」作業が追いつかなくなり、傷んだタンパク質が筋細胞の中にたまり続けてしまいます。

こうした「ゴミ」の蓄積が細胞にストレスを与え、加齢による筋力低下や回復力の低下、いわゆるサルコペニアの一因になると考えられています。

では、なぜ加齢によってmTORC1は過剰に働くようになるのでしょうか。

次ページ加齢で筋肉が衰えるのは、「DEAF1」スイッチが原因だった

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