「運動」は加齢した筋肉の制御系を修復する
加齢で衰えた筋肉に対する、「運動」の役割とはどんなものでしょうか。
研究チームは、運動を行うことでFOXOが再び活性化し、その結果DEAF1の発現が抑えられることを見いだしました。
FOXOが働きを取り戻すと、過剰だったmTORの転写が抑えられ、mTORC1の活動が「適切な水準」に戻ります。
すると、筋肉は再び傷んだタンパク質を除去し、新しいタンパク質と入れ替える能力を取り戻します。
運動は単に筋肉を大きくする刺激ではなく、乱れてしまった細胞内の管理システムを整え直す合図として働いているのです。
さらに研究チームは、FOXOを人工的に抑えたり、DEAF1を過剰に発現させたりすると、運動を行っても筋肉の改善が起こらないことを確かめました。
つまり、運動の効果は「FOXO–DEAF1–mTORC1」という経路全体がきちんと反応できる状態であってこそ発揮される、ということになります。
この結果は、高齢者の間で運動効果に個人差が生じる理由を、分子レベルで説明する手がかりにもなります。
今回の実験は、ショウジョウバエと高齢マウスを使って行われました。
種が違っても同じ仕組みが確認されたことから、この経路は生物に共通する基本的な筋肉制御システムである可能性が高いと考えられます。
この研究は、運動が老化した筋肉に効く理由が、筋肉の中で乱れた「作る」と「捨てる」のバランスを整え、細胞レベルで立て直している点にあることを示しました。
年齢を重ねても体を動かすことが勧められる背景には、筋肉の中でひっそりと進んでいる「精密な分子の修復作業」が隠れているのです。
























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なるほどぉ。素晴らしい記事です。
運動がいいことが、さらに科学的に証明されたとのことですが、どの様な運動がいいんだろう?
一方で、筋肉量を増やすことがいい、心肺機能を落とさないために有酸素運動など言われているけど…
面白いです。そもそものシステムを維持するためにも筋トレなどの運動が必要だったんですね。