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【陸上界で初!】近赤外光が見えるトンボを発見 (2/2)

2026.01.28 17:00:18 Wednesday

前ページトンボの赤色視は「ヒトと同じ仕組み」だった

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近赤外光が見えるトンボと、その先の応用

さらにチームは、トンボの中でもサナエトンボ科に属する種が、ヒトには見えない近赤外光を感知できることを突き止めました。

これは陸上生物としては初めての発見です。

なぜ近赤外光を見る必要があるのでしょうか。

チームは野外でサナエトンボ科の個体を捕獲し、体表の光の反射率を調べました。

その結果、オスとメスの体では赤色から近赤外にかけての反射特性が大きく異なることが分かりました。

このことから、近赤外視がオスメスの識別に役立っている可能性が示唆されました。

研究はここで終わりませんでした。

近赤外光は生体組織を透過しやすく、体の深部まで届くという特性があります。

このため、近赤外光に応答する分子は、光遺伝学と呼ばれる分野で長年求められてきました。

チームは、サナエトンボ科の近赤外オプシンをもとに、同じく赤色視をもつシャコのオプシン構造を参考に改良を施しました。

その結果、感受性をさらに長波長側へシフトさせることに成功し、近赤外光によって実際に細胞応答が引き起こされることも確認されました。

この成果は、生体深部で機能する新しい光遺伝学ツールの候補を提示するものです。

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サナエトンボ科/ Credit: ja.wikipedia

トンボは、童謡にも登場するほど身近な昆虫です。

しかしその目は、私たち人間の想像をはるかに超える世界を見ていました。

ヒトと共通する赤色視の仕組みをもち、さらに近赤外光まで感じ取る能力は、色覚の進化と生物の感覚の多様性を考える上で重要な手がかりとなります。

無脊椎動物のオプシンは、これまで技術的な理由から十分に研究されてきませんでした。

今回の成果は、その未開拓領域に大きな可能性が秘められていることを示しています。

トンボの目が切り開いた新しい視覚の世界は、進化の謎だけでなく、未来の生命科学にも光を当てる存在になりそうです。

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