ヒヨコたちにとって撫でられることはポジティブな体験だった
この研究で特に重要なのは、ヒヨコたちが中立条件の部屋を特に避けてはいなかったことです。
もし優しく触れられた部屋が選ばれた理由が、「もう片方の部屋が嫌だったから」なら、中立の部屋を避ける傾向がもっとはっきり出るはずです。
ですが、実際にはそうではありませんでした。
つまり今回の結果は、「嫌な部屋を避けた」というより、「優しく触れられた部屋を好んだ」と考えるほうが自然です。
このことは、優しい接触が単なるストレス低下にとどまらず、ヒヨコにとってポジティブな価値を持つ体験だった可能性を示しています。
行動の変化も、その見方を後押ししています。
実験の最初の段階では、撫でられることを受け入れるヒヨコは約70%でしたが、回数を重ねるうちにその割合はさらに高くなり、最終的にはほとんどのヒナ(95%)が受け入れるようになりました。
さらに、一部のヒヨコは撫でられている最中に眠る様子も見せました。
これは少なくとも、その接触を強く嫌がっていなかったことや、リラックスした状態に近づいていた可能性を示す行動と考えられます。
鳴き声の回数も少なくなっており、穏やかな接触がヒヨコの反応に変化をもたらしていたことがうかがえます。
では、なぜこのような結果になったのでしょうか。
論文では、ヒヨコがまだ若く、初期の経験の影響を受けやすい時期だった可能性が指摘されています。
成長の早い段階で人間から穏やかに接してもらうことは、その後の人間への感じ方を形づくるうえで特に重要なのかもしれません。
この発見は、家畜福祉の面で見逃せません。
人間の接し方次第で、動物にとって人間が「恐怖を生む存在」にも「よりポジティブな存在」にもなりうることが示されたからです。
とくに若い時期の経験は、その後の行動やストレス反応に長く影響する可能性があります。
たとえ小さく幼い家畜であったとしても、彼らは人間の接し方から多くのことを感じ取っているのです。
























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