「かつては仲間だった」巨大集団に起きた異変
研究対象となったのは、ウガンダの「ンゴゴ」と呼ばれるチンパンジー集団です。
この集団は約200頭という、野生では最大規模のチンパンジー社会を形成していました。
チンパンジー社会は一般に「離合集散型」と呼ばれ、個体は小さなグループに分かれて行動しながらも、全体としては1つの共同体としてまとまっています。
しかし、ンゴゴでは1990年代後半から徐々に異変が現れ始めました。
特定の個体同士が常に一緒に行動するようになり、特に3頭の成体オスが中心となる固定的なグループが形成されていきます。
そして2015年頃、この巨大な共同体は明確に2つの集団へと分裂し始めました。
西側グループと中央グループです。
こちらが実際に撮影されたグループ同士が牽制し合う様子の映像。
音量に注意してご視聴ください。
この段階ではまだ完全な断絶には至っておらず、両者の間には交流や協力関係も残っていました。
しかし決定的な変化は、徐々に静かに進行していきます。
交尾は同じグループ内でしか行われなくなり、行動範囲も分離され、ついには互いを避けるようになります。
2015年6月には、両グループが縄張りの中心で接触した際、通常なら再び合流するはずの場面で、一方が逃げ、もう一方が追うという異常な行動が観察されました。
その後、6週間にも及ぶ回避状態が続きます。
こうした変化は一時的なものではなく、集団の構造そのものが崩れ始めている兆候でした。
2018年までには、社会的な結びつきは完全に断絶し、両グループは空間的にも繁殖の面でも完全に分離されました。
かつて共同体の中心だった場所は、両者の境界線となり、オスたちが巡回する「国境」へと変わっていったのです。



























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