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音楽のトレーニングを受けていなくても、音楽のルールを理解している / Credit:Canva
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非音楽家でも、脳は”音楽のルール”を理解している (2/2)

2026.04.10 17:00:23 Friday

前ページ人は「音の流れ」で音楽を理解している

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訓練がなくても脳は「音楽のまとまり」を読んでいる

今回の研究で特に興味深いのは、音楽経験のない人でも、音楽家とかなり近い形で音楽を処理していたことです。

記憶と予測の課題では、音楽家だけが特別に有利という結果にはなりませんでした。

これは、私たちがふだんの生活の中で音楽を聴くだけでも、「音の流れ」をかなり自然に身につけていることを示しています。

音楽を区切る課題では、人は単に音をつなげて聞いているのではなく、短いフレーズや、その上に重なるより大きなまとまりを手がかりにしていることも示されました。

つまり私たちは音楽を、ばらばらの音の列ではなく、大小のまとまりが重なった構造として捉えているのです。

一方で、音楽家にまったく差がなかったわけではありませんでした。

音楽家は、より長い単位のまとまりに敏感で、音楽がどの程度スクランブルされているかを見分ける課題でも優れていました。

訓練によって、音楽の構造を意識的に見抜いたり、言葉にしたりする力は高まりやすいと考えられます。

つまり今回の研究は、「訓練が不要」と言っているのではなく、「音楽を理解する土台そのものは、訓練がなくてもかなり育つ」ことを示しているのです。

この結果は、音楽が感情を動かす仕組みを考えるうえでもヒントになります。

私たちは音の流れの中で、次に来る展開をうっすら期待しながら聴いています。

その期待が満たされたり、少し裏切られたりすることで、「明るい」「落ち着く」「不安になる」といった感覚が生まれているのかもしれません。

ただし今回の研究には限界もあります。

使われたのは西洋クラシック音楽であり、世界中のあらゆる音楽で同じような結果になるかは、まだ分かっていません。

また、この研究は人の行動から音楽理解を調べたもので、の中で何が起きているかを直接見たわけではありません。

今後は脳画像研究などによって、音楽を聴いているときに脳がどのように長い流れやまとまりを処理しているのかが、さらに詳しく調べられるとよいでしょう。

音楽は、楽譜が読める人だけのものではありません。

私たちの脳は、日々音楽に触れるだけで、その中にあるルールやまとまりを思った以上にしっかり学んでいるのです。

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