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子供の数が「理想より多い」と親の幸福度が下がる / Credit:Canva
psychology

子供の数が「理想より多い」親の幸福度は低い

2026.04.16 06:30:40 Thursday

日本では少子化が大きな社会問題として語られており、「子供を持つこと」が望ましい生き方であるかのような圧力を感じる場面もあるかもしれません。

ですが、子供の数と幸福の関係は、単純に「多いほど良い」とは言えないようです。

フンボルト大学ベルリン(Humboldt University of Berlin)などの研究チームは、実際の子供の数と本人が理想とする子供の数のズレが、幸福度とどう関係するのかを調べました。

その結果、理想より多く子供を持った親では、他の人たちより心理的な幸福度が低い傾向がありました。

この研究は2026年4月1日に『Journal of Personality』に報告されました。

Having More Children Than Desired Makes Parents Unhappy https://www.psychologytoday.com/us/blog/the-asymmetric-brain/202604/having-more-children-than-desired-makes-parents-unhappy
How a Mismatch Between Actual and Desired Fertility Relates to Well-Being Across Adulthood https://doi.org/10.1111/jopy.70069

子供の数そのものではなく、「望んだ数」とのズレを調査

「子供がいる人は幸せなのか」という問いは、これまでにもたびたび研究されてきました。

けれど、この問いには見落とされがちな点があります。

それは、同じ「子供がいる」「子供がいない」という状態でも、その意味が人によってまったく違うことです。

例えば、もともと子供を望んでいない人にとって、子供がいないことは不幸ではありません。

むしろ自分の望み通りの状態です。

反対に、強く子供を望んでいた人にとっては、子供を持てないことが大きな苦しみになる場合があります。

つまり、幸福を左右するのは子供の有無や人数そのものではなく、「自分の希望と現実が一致しているかどうか」かもしれないのです。

そこで研究チームは、ドイツの大規模な社会調査データを使ってこの問題を詳しく調べました。

対象になったのは18歳から100歳までの約2万3800人です。

参加者には「もし障害が何もないとしたら、理想的には何人の子供が欲しいですか」と尋ね、実際の子供の数と比べました。

そのうえで参加者を以下の5つのグループに分けています。

  1. 子供を持たないことを望み、その通りに暮らしている人
  2. 子供を望んでいるのにいない人
  3. 理想通りの数の子供を持つ親
  4. 理想より少ない子供数の親
  5. 理想より多い子供数の親

さらに研究では、人生全体への満足度だけでなく、家庭生活への満足度、仕事への満足度、日々の感情のバランスまで調べました。

加えて、年齢、性別、収入、仕事の有無、交際・結婚状況、宗教性、地域の保育環境、地域の価値観といった要因も考慮し、単純な比較に終わらないように工夫しています。

その結果、最も目を引いたのは、理想より多く子供を持った親だけが、一貫して低い幸福度を示したことでした。

逆に、子供がいない人や、理想より少ない子供数の親は、全体として見ると、理想通りの親と大きくは変わりませんでした。

ただし、子供を望んでいるのに持てなかった人や、理想より少ない子供数の親では、年齢が高くなるにつれて幸福度が下がる傾向も見つかっています。

では、なぜ「多すぎる」場合だけが目立ってつらくなりやすいのでしょうか。

次ページ「子供の数が理想より多い」が重くのしかかる理由は何か

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