「湿度による変化」とそのメカニズム
実験の結果、コハナバチの体色は湿度によって大きく変化することが明らかになりました。
実験前の保管環境に近い湿度56%では中間的な緑色でしたが、高湿度では赤みがかった緑、低湿度では青みがかった緑へと変わりました。
この変化は、主に最初の24時間以内に起こりました。
つまり、環境が変わると比較的短時間で見え方が変わる現象だったのです。
また、湿った状態と乾いた状態の間で行き来する可逆的な変化であることも示されました。
では、なぜ湿度で色が変わるのでしょうか。
研究者たちは、構造色を生み出す微細な層が水分を吸ってわずかに膨らみ、反射する光の波長が変わる可能性を考えています。
湿度が高いと、より長い波長の光、つまり赤寄りの色が反射されやすくなり、銅色がかった緑に見えるというわけです。
ただし、ハチの体表で実際にどの構造がどのように変わっているかは、まだ直接確認されたわけではありません。
現時点では、他の昆虫や鳥の構造色で知られている仕組みと一致する、有力な説明と考えるのが正確です。
さらに興味深いのは、古い標本のほうが高湿度下で大きく色を変えたことです。
研究チームは、時間の経過によって外皮が劣化し、水分が入りやすくなったためではないかと考えています。
これは、博物館に保存されている標本の色が、生きていた時の色をそのまま反映しているとは限らないことを示しています。
野外写真の分析でも、湿度の高い場所で撮影されたハチほど、わずかに赤みがかった緑に見える傾向がありました。
ただし、この効果は小さく、体色の違いの大部分は、遺伝、光の当たり方、カメラの条件、地域差、個体差など、さまざまな要因によって左右されると考えられます。
それでも、この研究の意義は大きいと言えます。
地域による体色の違いを考えるとき、その場の湿度のような一時的な環境条件も見落とせないことを示したからです。
今後は、この小さな色の変化が、ハチの暮らしにどのような意味を持つのかを調べる必要があります。


























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