脳を洗う仕組みは夜だけ動くのか?

私たちの脳は、毎日せっせと老廃物を出しています。
考えごとをしたり、記憶を整理したり、感覚を処理したり——そうした活動のたびに、脳の細胞はいわば「ゴミ」を出します。
アルツハイマー病の原因のひとつとされる「アミロイドβ」も、こうした老廃物の一種と考えられています。
ところが困ったことに、脳本体には、体の他の部分にあるような「リンパ系」がありません。
リンパ系というのは、体の隅々に張り巡らされた排水システムのようなもので、老廃物を回収して処理する仕組みです。
腕にも脚にも内臓にもあるのに、なぜか脳本体にこれがない。
では脳はいつ、どうやって掃除しているのでしょうか?
近年の研究で、脳に独自の洗浄メカニズム(グリンパティック・システム)があることがわかってきました。
脳の周囲を満たしている「脳脊髄液」という透明な液体が、血管に沿って脳内に流れ込み、老廃物を押し流して外に出す——いわば脳専用の下水道です。
そしてこのシステムが最も活発に働くのは、睡眠中だということもわかっていました。
「よく寝ると頭がスッキリする」のは、睡眠中に脳が文字どおり洗われていたからだったわけです。
しかし、起きている間の脳はどうなっているでしょうか?
ここで研究者たちを悩ませていた謎がありました。
覚醒中の動物に目印となる物質(トレーサー)を脳脊髄液に注入しても、それが脳の表面部分(皮質)に入り込まないのです。
つまり、起きている間は脳の洗浄システムがうまく動いていないように見えたのです。
寝ているときだけ洗われて、起きている間は放置なのでしょうか?
そこで今回研究チームは、起きているマウスの脳に特殊な顕微鏡(2光子顕微鏡)を向けました。
生きた組織の内部を細胞単位でリアルタイムに観察できる、強力な道具です。
すると驚くべきことに、マウスの脳は頭蓋骨の中で数マイクロメートル(0.001ミリ程度のわずかな距離)だけ、確かに動いていました。
「そんな微妙な動き、誤差じゃないの?」と思うかもしれません。
実はこれまでも、脳がほんの少し動くこと自体は知られていました。
ただ多くの研究者は、それを「心臓のドクン、ドクン」や「呼吸のスーハー」が頭蓋内に伝わった副産物だとみなしてきました。
ところが今回のチームが詳しく観察すると、脳の動きは心拍とも呼吸ともタイミングが合っていません。
代わりに重なっていたのは──マウスが歩いているタイミングだったのです。
ただ完全一致というわけでもありませんでした。
脳の動きが歩き出す直前に始まっていたのです。
つまり、マウスがまだ一歩も踏み出していない段階で、すでに脳の内部では何かが起きていたわけです。



























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