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シロアリと共生する新種テントウムシを発見 / Credit:関崚大ら(九州大学), European Journal of Entomology(2026), CC BY 4.0
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世界初、シロアリと共生する新種テントウムシを発見

2026.05.19 06:30:14 Tuesday

テントウムシといえば、葉っぱの上でアブラムシを食べる小さな益虫を思い浮かべる人が多いでしょう。

ところがタイの森では、その常識を覆す奇妙なテントウムシが見つかりました。

なんとこのテントウムシは、シロアリの巣の内部で暮らしていたのです。

しかもその幼虫は、普通のテントウムシの幼虫とは似ても似つかない、白く丸い「シロアリそっくり」の姿をしていました。

九州大学の研究チームは今回、世界で初めて「シロアリと共生するテントウムシ」を正式に確認したことになります。

研究成果は2026年5月14日付で学術誌『European Journal of Entomology』に掲載されました。

世界初、シロアリの巣から新種のテントウムシを発見 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1475
The first termitophilous ladybird beetle: Scymnus (Pullus) tshunsii sp. n. (Coleoptera: Coccinellidae) from Microcerotermes nests in Thailand https://doi.org/10.14411/eje.2026.017

「シロアリの巣」で暮らす新種テントウムシを発見

シロアリの巣は、昆虫界でもかなり特殊な環境です。

内部は温度や湿度、食料資源が安定した、外部とは隔てられた空間であり、いわば巨大な「地下都市」のような場所です。

そのためシロアリの巣には、昔から多くの昆や節足動物が入り込み、共生生活を送っていることが知られていました。

こうした生物は「好白蟻性生物」あるいは「シロアリ共生生物」と呼ばれています。

しかし、そこにテントウムシが含まれるとは考えられていませんでした。

そもそもテントウムシは、アブラムシやカイガラムシを捕食する昆虫として知られています。

多くの種は植物の上で生活しており、閉鎖的なシロアリの巣に適応した種の存在は想定されていなかったのです。

また、シロアリの巣で暮らすには、巣の住人に攻撃されずに受け入れられる必要があります。

実際、多くのシロアリ共生生物では、体形の変化や化学的な擬態など、巣内生活に適応した特徴が知られています。

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シロアリと共生する新種テントウムシを発見。幼虫はシロアリに似ている / Credit:関崚大ら(九州大学), European Journal of Entomology(2026), CC BY 4.0

しかし研究チームが、タイ各地でシロアリの一種「Microcerotermes crassus」の巣を調査したところ、内部から未知のテントウムシを発見しました。

新種は「シロアリヒメテントウ(Scymnus(Pullus)tshunsii)」と命名されました。

さらに重要だったのは、成虫だけでなく、幼虫や蛹まで巣の内部から見つかった点です。

しかも研究チームは、巣から採集した幼虫を飼育し、実際に成虫へ成長することも確認しました。

つまり、このテントウムシは偶然入り込んだわけではなく、シロアリの巣に適応した生活を送る種だったのです。

テントウムシ科で、このような生活様式が正式に確認されたのは世界で初めてです。

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