画像
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
animals plants

観光客を避けるように「水中洞窟に隠れる」アザラシを確認

2026.05.21 18:00:49 Thursday

透き通った海に囲まれたギリシャの無人島では、観光客が美しい海や洞窟を求めて集まります。

しかしその陰で、ひっそりと居場所を変えていた動物がいました。

チチュウカイモンクアザラシです。

このアザラシは世界でも特に絶滅が心配されているアザラシの一種で、かつては開けた浜辺で休む姿も見られました。

ところが人間の活動が増えるにつれ、彼らは人目につきにくい洞窟へと身を隠すようになったと考えられています。

ギリシャ・フォルミクラ島で行われた今回の研究では、チチュウカイモンクアザラシが観光客の多い夏の時期に、水中からしか入れない「泡の洞窟」を頻繁に利用していることが確認されました。

研究の詳細は2026年4月28日付で学術誌『Oryx』に掲載されています。

Rare seals hide in underwater bubble caves to escape tourists https://phys.org/news/2026-05-rare-underwater-caves-tourists.html
Sealed serenity: use of underwater bubble caves as refuge against disturbance by Mediterranean monk seals https://doi.org/10.1017/S0030605325102718

観光地の海で、アザラシはどこへ消えたのか

フォルミクラ島は、ギリシャの内イオニア海諸島にある無人島です。

透明度の高い海、泳ぎやすい入り江、豊かな海洋生物によって、観光客にも人気の場所となっています。

そして、この島を訪れる人々にとって大きな魅力の一つが、チチュウカイモンクアザラシの存在です。

画像
チチュウカイモンクアザラシ/ Credit: ja.wikipedia

しかし、アザラシにとって人間の接近は必ずしも歓迎できるものではありません。

チチュウカイモンクアザラシは本来、海岸に上がって休み、毛皮を乾かしたり、体温を調節したりする動物です。

ところが人間の活動が増えると、開けた浜辺は安全な休息場所ではなくなっていきます。

実際、現在のチチュウカイモンクアザラシは、人目につきにくい海食洞を利用する傾向が強いとされています。

フォルミクラ島でも、観光客がアザラシに近づこうとしたり、アザラシが休む洞窟を訪れたりすることが問題になっていました。

そこでイタリア・スイス・スペインの国際研究チームは、アザラシが実際にどの場所を使っているのかを確かめるため、島の洞窟にカメラを設置。

1台は、これまでアザラシが観察されていた主要な洞窟に置かれました。

もう1台は防水ケースに入れられ、隣接する「泡の洞窟」の入口付近に設置されました。

泡の洞窟とは、水中の通路を潜らなければ入れない、内部に空気のたまったドーム状の空間です。

外からは目立ちにくく、人間が気軽に立ち入ることも難しい場所です。

研究チームは、2020年7月の短期間と、2021年6月から10月までの期間を合わせ、合計141日間にわたってアザラシの利用状況を記録しました。

次ページ「乾いた浜」ではなく、濡れた洞窟で眠っていた

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!