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マリー・アントワネットは「歯列矯正」をしていた?

2026.06.06 12:00:47 Saturday

マリー・アントワネット(1755〜1793)と聞くと、豪華なドレス、ヴェルサイユ宮殿、そしてフランス革命の悲劇を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし、彼女にはもう一つ、少し意外な噂話があります。

それは、フランスへ嫁ぐ前に「歯列矯正」を受けていた可能性があるというものです。

現代の矯正器具をつけた王妃を想像すると、まるで時代考証を無視した映画のワンシーンのように感じられます。

けれど、これは荒唐無稽な作り話とも言い切れません。

18世紀のフランスでは、近代歯科医学の基礎が形づくられつつあり、歯科医師のピエール・フォシャールは1728年に歯科医学の体系的な著作を出版し、歯並びを整える器具「バンドー」についても記述していました。

では、なぜマリー・アントワネットに歯列矯正の噂があるのでしょうか。

Marie Antoinette probably got braces to straighten her teeth https://www.popsci.com/science/marie-antoinette-braces-weirdest-thing-podcast/

オーストリアからフランスへ嫁ぐ

マリー・アントワネットは、1755年にオーストリアのウィーンで生まれました。

父親は神聖ローマ皇帝フランツ1世、母親はオーストリアを治めた女帝マリア・テレジアです。

当時のヨーロッパ王室にとって、結婚は個人の恋愛ではなく、国と国を結ぶ外交手段でした。

マリー・アントワネットもまた、オーストリアとフランスの関係を強めるため、フランス王太子ルイ、のちのルイ16世のもとへ嫁ぐことになります。

彼女がフランスへ旅立ったのは1770年のことです。

このとき彼女はまだ14歳でした。

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マリーアントワネットの肖像画/ Credit: ja.wikipedia

フランス宮廷は、ヨーロッパでもとりわけ洗練された文化と作法を重んじる場所でした。

そのため、オーストリア育ちの少女は、言葉づかい、服装、髪型、立ち居振る舞いに至るまで、フランス風に整えられていきます。

いわば、王太子妃としてヴェルサイユ宮殿に受け入れられるための「徹底したイメージ改造」が行われたのです。

またマリー・アントワネットには、ハプスブルク家とよく結びつけて語られる「しゃくれ顎」の特徴があったともいわれます。

いわゆる「ハプスブルクの顎」は、下顎が前に出る下顎前突症として説明されることが多く、ハプスブルク家の肖像画にもその特徴が見られるとされています。

ただし、マリー・アントワネット本人の歯並びや顎の状態が、どの程度治療を必要とするものだったのかは、慎重に考える必要があります。

肖像画は政治的なイメージづくりの道具でもあり、現代の診断書のように扱うことはできないからです。

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