変化を嫌う人が求めてしまう危険な思想
認知的硬直性を理解するうえで分かりやすいのが、「カード分類課題」のような心理テストです。
この課題では、参加者はカードを色や形などのルールに従って分類します。
最初は「赤いカードは赤いカードに合わせる」というように、色で分類すると正解になります。
参加者はそのルールを覚え、うまく得点できるようになります。
ところが途中で、本人には知らされないままルールが変わります。
今度は色ではなく、形で合わせなければ正解にならないのです。
このとき、柔軟な思考を持つ人は、古いルールが通用しなくなったことに気づきます。
そして、試行錯誤しながら新しいルールを探します。
一方で、認知的に硬直した人は、古いルールが間違っている証拠が出ていても、同じやり方を繰り返しがちです。
つまり、現実が変わっているのに、頭の中のルールを変えることが苦手なのです。
これは単なるゲーム上の癖に見えるかもしれません。
しかし研究では、このような認知的硬直性を示す人ほど、独断的で、権威主義的で、イデオロギー的な暴力にも賛同しやすい傾向があるとされています。
極端な思想は、多くの場合、世界を単純に説明してくれます。
「正しい側」と「間違った側」をはっきり分け、複雑な問題に明確な答えを与え、誰に従えばよいかを示してくれます。
曖昧さや変化が苦手な心にとって、こうした思想は強い安心感をもたらします。
不確実な世界の中で、「これだけを信じておけばいい」という硬い枠組みは、魅力的に見えてしまうのです。
そのため、認知的に硬直した人は、変化の多い現実を柔軟に受け止めるよりも、変わらないルール、絶対的な正しさ、強い指導者、明確な敵味方の構図に惹かれやすくなる可能性があります。
過激主義や権威主義は、そのような心にとって、混乱を整理してくれる「わかりやすい地図」のように働くのです。



































