翼幅20mの巨大な翼を支えた「しくみ」とは?
普通の紙飛行機では、折り目が紙に硬さを与え、翼や胴体の形を保ってくれます。
ところが翼幅が20メートルにもなると、紙は自分の重さでたわみ、長い翼はねじれやすくなります。
さらに、左右の重さや形が少し違うだけでも、機首が下がったり、横へ曲がったりして、安定して飛べなくなる可能性があります。
そのためイカロスは、巨大な紙を折っただけの機体ではなく、一般的なグライダーに近い考え方で設計されました。
機体内部には、翼の長手方向を支える「桁」と、翼の断面形を保つ「リブ」が組み込まれています。
桁は翼の背骨のような部材で、リブはその骨格に沿って翼の形を整える役割を持ちます。
さらに、空気が最初に当たる前縁、空気が後方へ抜ける後縁、飛行姿勢を安定させる尾部も設けられました。
つまり、外見は巨大な紙飛行機でも、内部では本物の航空機と同じように、軽さと強さのバランスが考えられていたのです。
部材を増やせば丈夫になりますが、そのぶん機体は重くなります。
反対に軽さだけを優先すれば、翼が形を保てません。
学生たちはシミュレーションと段階的な試作によって、この難しいバランスを紙と接着剤だけで成立させました。
イカロスが示したのは、身近な紙飛行機も、極端に巨大化すれば空気力学や構造設計を総動員する本格的な工学課題になるということです。
授業の合間の遊びから始まった紙飛行機は、ついに世界最大の翼となって空を飛びました。
ギネス世界記録の審査員も「本当に感動的だった」とイカロスとチームの功績を称えました。































