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思春期の脳で「再編成」が生じている / Credit:Canva
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思春期には脳の記憶回路が「再編成」されると判明

2026.07.22 06:30:48 Wednesday

思春期は、心だけでなく脳も大きく変化する時期です。

米国アルベルト・アインシュタイン医学校(Albert Einstein College of Medicine)の研究チームは、マウスの思春期後期に、長期記憶を支える脳回路が予想外の再編成を経験することを明らかにしました。

この変化の最中には、思春期初期に作られた記憶が一時的に呼び出しにくくなり、成体中期になると再び現れることも確認されています。

研究成果は2026年7月17日付で科学誌『PLOS Biology』に掲載されました。

How brain remodeling during adolescence shapes memory https://medicalxpress.com/news/2026-07-brain-remodeling-adolescence-memory.html
Retrosplenial cortical reorganization during late adolescence introduces instability of contextual memory circuits https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3003908

思春期の脳は再編成されていた

人間のは、10代を終えた時点で完全に成熟するわけではありません。

判断や感情の調整に関係する変化は、20代半ばから後半まで続くと考えられています。

一方、思春期から若年成人期にかけて、過去の出来事を思い出す回路がどのように成熟するのかは、十分に分かっていませんでした。

そこで研究チームは、マウスの「脳梁膨大後部皮質(retrosplenial cortex,RSPまたはRSC)」に注目しました。

RSPは、出来事が「どこで、どのような状況で起きたのか」という情報を含む長期記憶を呼び出す際に重要な脳領域です。

研究チームが特に調べたのは、一部の神経細胞を網目状に包む「ペリニューロナルネット(PNN)」です。

PNNは神経細胞同士のつながりを安定させ、既に作られた記憶回路を守る補強材のような働きを持っています。

そして研究では、生後21日から75日までの雌雄のマウスを使い、RSPや海馬などに存在するPNNの量を比較しました。

さらに、マウスに特定の箱と短い電気刺激を結び付けて覚えさせました。

マウスがその場所を覚えていれば、後に同じ箱へ戻されたとき、恐怖から動きを止める「すくみ反応」を示します。

その結果、RSPでは思春期初期に多く存在したPNNが、思春期後期に大きく減少しました。

背側海馬ではPNNが安定または増加していたため、脳全体で一様に起きた変化ではありません。

また、思春期初期に作られた記憶は後に呼び出しにくくなった一方、生後75日に新しく作られた記憶は、その後も安定して維持されました。

では、PNNの減少と記憶の変化には、どのような関係があったのでしょうか。

より詳しい結果を次項で見ていきます。

次ページ記憶は消えず、一時的に取り出しにくくなっていた

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