従来の「小柄説」を修正するデカさだった
パラントロプス・ボイセイは、大きな奥歯と頑丈な顎を持つことで知られる絶滅人類です。
しかし、これまで見つかった化石の多くは頭骨や歯であり、首から下の骨は非常に限られていました。
そのため、生前の身長や体重については不明な部分が多く、一般には、同時代のホモ・エレクトスよりかなり小柄だったと考えられてきました。
従来の推定では、大人でも身長1.3〜1.4メートル程度と見積もられています。
ところが今回の足跡は、その見方に修正を迫りました。
足跡の大きさから体格を推定すると、大きな個体は身長約1.8メートル、体重約75キログラムに達していた可能性があるというのです。
これは現代人にも見られる体格であり、同じ地域に暮らしていたホモ・エレクトスと大きさが近かったことを示唆します。
体が大きければ、1日に必要な食物の量や移動できる距離、捕食動物との関係も変わります。
今回の結果が今後の化石研究で裏づけられれば、パラントロプスの暮らし方や生態についても見直しが必要になるでしょう。
さらに、21個の足跡は8個体によって残され、その多くが成体の雄だった可能性があります。
複数の足跡が同じ地面に残されたことから、研究者らは、雄たちが一緒に移動していた可能性を指摘しています。
危険な環境で身を守るため、一時的に互いを受け入れて行動していたのかもしれません。
ただし、足跡だけでは、8個体が恒常的な集団を作っていたのか、偶然続けて同じ場所を通ったのかまでは断定できません。
骨の化石は、その生物がどのような姿をしていたかを教えてくれます。
一方、足跡は、どれほど大きな個体が、誰と、どちらへ歩いていたのかを伝えてくれます。
約143万年前の湖岸に残された21個の足跡は、ほとんど知られていなかったパラントロプスの体格と行動を映す、一瞬の記録です。
今後さらに足跡や全身骨格が見つかれば、私たちとは異なる進化の道を歩んだ絶滅人類の姿が、より鮮明になるかもしれません。






























