同じくらい不安でも「どう反応するか」が関係していた
詳しい分析では、現在の不安症状が強い人ほど、少なくとも1つの不安障害の診断歴を報告する可能性が高く、さらに複数の診断歴を報告する傾向も見られました。
ここまでは、「不安が強い人ほど不安に関する問題も多い」という比較的分かりやすい結果です。
しかし重要なのは、その不安症状の重さを統計的に考慮した後にも、心理的非柔軟性との関連が残っていたことです。
心理的非柔軟性が高い人ほど、何らかの不安障害の診断歴を報告する可能性が高く、さらに追加の診断歴を報告する可能性も高くなっていました。
つまり今回の結果からは、「どれほど不安が強いか」だけを見ても、その人が抱える不安の問題を十分には捉えられない可能性があります。
同程度の不安を感じていたとしても、不安が生じるたびにその感情に行動を左右されるのか、それとも不安を抱えながらも状況に合わせて行動を選べるのかという違いがあるからです。
そのため研究者らは、不安症状そのものを軽減するだけでなく、不安に対してより柔軟に反応できるよう働きかけることが、不安による苦痛を減らすうえで重要な要素になり得るとしています。
ただし今回の研究は一時点で行った調査のため、心理的非柔軟性が不安障害につながったのか、それとも不安障害を経験した結果として心理的非柔軟性が高まったのかは判断できません。
また、診断歴は臨床面接や医療記録ではなく参加者自身の申告に基づいています。
それでも今回の結果は、不安について考えるときに「どれほど強く感じるか」だけを見るのではなく、「その不安にどう反応するか」という視点も重要であることを示しています。
不安があっても必要な行動を選べることが、不安とうまく付き合うための大切なカギなのかもしれません。

































