なぜスクショしたものは忘れやすくなるのか?

もともと「撮ると忘れる」現象の原因としては、「脳が賢く節約している」という説明がなされてきました。
しかし今回の研究では、節約して浮いた分を探しても、どの成績にも現れませんでした。
この説の旗色は、かなり悪くなったことになります。
そうなると残る有力な候補が浮かび上がってきます。
それは、撮った瞬間に対象への注意そのものを手放してしまう、という単純な説明です(注意の離脱)。
「撮った」という行為が引き金になり、本人も気づかないうちに、目の前のものを深く味わうことをやめてしまうのです。
節約ではなく、撮った時点で対象から心が離れているというわけです。
なぜそんなスイッチが入ってしまうのか。
日常生活において、スクショは「今は覚えなくていい、後で見ればいい情報」を保存する行為と強く結びついています。
この結びつきが染みついた結果、実際に見返すつもりがあるかどうかによらず、ボタンを押した瞬間、自動的に注意が切れてしまう——研究チームはそうした無意識の連想が働いている可能性を指摘しています。
この見方を後押しする手がかりもありました。
参加者はスクショした画像について、内容だけでなく「自分がそれをスクショしたのか、ただ見たのか」という状況の記憶まで悪くなっていたのです。
影響が撮った情報の範囲を超えて、そのときの体験全体に広がっている——心がその場から離れてしまうという説明と、よく合う結果です。



































