“男の子は乱暴、女の子はおとなしい”は本当なのか?
多くの人が「男の子はケンカっ早い」「女の子はやさしい」といったイメージを持っています。
学校の教室や公園で目立つのは、やはり男の子同士のケンカや取っ組み合いです。
実際、犯罪や暴力事件の統計を見ても、加害者は圧倒的に男性が多いとされています。
そのため、心理学や社会学の世界でも長年「男性のほうが攻撃性が高い」という説が当たり前のように語られてきました。
しかし女兄弟のいる人は、「いや、女ってそんな大人しくないよね」と思うかもしれません。
家族の中で大声で怒鳴ったり、ときには思い切り叩いたり、という行動について考えると「姉ちゃんの方が怖い」「妹の方がやり返してくる」と感じている人は意外と多いかもしれません。
実際、最近の研究では「兄弟姉妹間の攻撃性は、男女差がほとんどない」「場合によっては女性の方が高い」という指摘があります。
とはいえ、こうした報告の多くはアメリカなど一部の先進国だけを対象にしたもので、文化や家庭環境が違えば話は変わると考えられます。
ではこれは、一部の家庭にだけ見られる話なのでしょうか? それとももっと広く確認できる人間社会全体の持つ傾向なのでしょうか?
その謎を解くため、今回の研究チームは、世界24か国・4,013名(有効回答4,136名)の男女を対象に、兄弟姉妹に対する攻撃性について大規模な調査を実施しました。
調査では、まず「子どものころ(16歳まで)」と「大人になってから(18歳以上)」の期間について、兄弟や姉妹、友人や知人に対してどれくらい攻撃的な行動をしたかを自己申告してもらいました。(ここでいう攻撃的な行動とは、「殴る・叩く」「怒鳴る」などを指す)
また、きょうだいの性別や、友人・知人が男性か女性かといった相手の違いも細かく記録し、年齢や国、文化の違いが結果に影響しないよう工夫がなされました。
このようにして、世界各国で同じ基準で身内を含めた攻撃性について男女差を調査したことが今回の研究の大きな特徴です。
ではその結果は、どんなものだったのでしょうか。