命を絶とうとした青年を救った「ママ」というひとこと
元記事では、筆者が心理療法士として出会った18歳の青年の体験が紹介されています。
青年は11歳のときに母親を亡くし、その深い悲しみから長年立ち直ることができずにいました。
カウンセリングの中で筆者が「お母さんは今もあなたと一緒にいると思いますか」と尋ねると、青年は「どこにでもいる」と答えたといいます。
彼は日常的に心の中で母親と会話していました。
そこで筆者は、「もしお母さんがいつもあなたと一緒にいるなら、息子であるあなたが傷つく姿を見ることは、お母さんにとってどれほどつらいだろう」と伝えました。
それからしばらく後、青年は自ら命を絶つ計画を立て、駅へ向かいました。
彼にとって死ぬことは、亡くなった母親と再会するための方法でもありました。
ところが駅のホームで、3歳ほどの少女が転んで膝を痛め、「ママ、ママ」と泣き出します。
その声を聞いた瞬間、青年の頭に、以前セラピストから言われた言葉が蘇りました。
「自分が傷つく姿を見たら、母親はどれほどつらいだろう」
青年はその場でしばらく立ち止まり、そして次の電車に乗って家へ帰りました。
それから25年後、彼は心理学の博士号を取得し、現在は深刻なトラウマを抱える若者を支援する専門家になったといいます。
記事によれば、彼自身もこれまで数百人の若者を支援してきたそうです。
ここで青年を直接引き止めたのは、偉大な哲学者の名言ではありませんでした。
幼い少女が母親を求めて発した、ごく普通の「ママ」というひとことだったのです。


































