人間の研究を「学習した」疑いと、残る楽しさ

今回の解法は、マドリードの数学者ディエゴ・コルドバ氏とルイス・マルティネス=ソロア氏の研究に大きく依存していました。
AI の数学は一から問題を解くのではなく、人間の仕事の上に積み上げることが多いのです。
さらに気がかりな話もある。
OpenAI は、2つのミレニアム問題が数学者に解かれたといううわさを聞いて、最新モデルを問題に向かわせました。
ニューヨーク大学のトリスタン・バックマスター教授と Anthropic のレヴェント・アルポゲ氏は、ナビエ・ストークスの関連研究の途中で OpenAI の製品を使っていました。
2人は、作業中の研究をモデルが学習したのではないかと疑います。
OpenAI は調査のうえで、これを否定しています。
それでも警戒は残り、バックマスター教授は「誰も何も共有したがらなくなった」のが今の数学界の大きな話題だと話しました。
一方で、オックスフォード大学で数学の哲学を研究するアレクサンダー・パソー教授は、数学の魅力はあまり損なわれないと見ています。
AI が研究で人間より上手になっても、自分で理解したいという欲求と、証明の美しさを味わう楽しみは残るからです。
発表されたのは、企業による解法。バックマスター教授は、数学は数日前とは別のものになり、どうするかを決めねばならないと話しています。
AI学習についてのヘイトは様々な分野で見かけます。今後、似たような問題にどう対応していくのかも、考えなければいけません。
徹夜の翌朝にボタン一つで答えが出ても、答えの美しさを味わう時間だけは、まだ人間の側にあります。
























