DNAの「目印」が、なぜ老い方を教えるのか

DNAは、身体をつくり、働かせるための情報が並んだ設計図にたとえられます。
ただし、同じ設計図を持っていても、その情報がいつ、どのくらい使われるかは変わります。
たとえば私たちの体にはDNAに目印をつけて、設計図が勝手に使用されないように抑え込む仕組みが存在します。
DNAの文字列そのものを書き換えず、遺伝子の働き方を調整する変化を「エピジェネティックな変化」と呼びます。
その一つが、DNAに「メチル基」という小さな化学的な目印を付けるDNAメチル化です。
目印の付き方は、発達や生活環境などによって変わります。
また近年の研究によって、DNAのメチル化は老化と共に進行する特徴的なパターンがあることもみえてきました。
今回使われた「DunedinPACE」という指標は、成人を26歳から45歳まで追跡した別の研究をもとに作られました。
その研究では、肺や腎臓などの働きに関わる19の指標を繰り返し測り、体の機能がどれくらいの速さで変化するかを調べています。
そして、その変化の速さを、血液のDNAメチル化パターンから推定できるようにしました。
ほぼ同じ年齢の人たちを追っているため、単に年上と年下を見分ける方法とは異なります。
また成人では、指標の値が高い人ほど病気や死亡のリスクが高いことも、別の集団で確かめられています。
いわば、「体が何歳か」を示す年齢計というより、「老化がどれくらいの速さで進んでいるか」を推定する速度計です。






















