家計への支援が、子供の身体に残した差

では、家計への支援を増やすと、この「速度計」はどう変わったのでしょうか。
毎月333ドルを受け取った家庭の子どもでは、20ドルの家庭の子どもよりDunedinPACEの値が低く、老化がゆっくり進む方向への差が見られました。
差の大きさは「0.17標準偏差」で、子どもたちの個人差に比べれば小さいものの、統計的に有意な値でした。
共著者のテキサス大学オースティン校のキャスリン・ペイジ・ハーデン氏は、4歳ですでに生物学的な老化の違いが見られる点を、印象的だと述べています。
この実験では、現金給付に特別な栄養介入や心理的な支援を組み合わせたわけではありません。
経済的な支援だけでも、幼い体の生物学的な指標に影響が届いた点が重要です。
ただ今回の研究では、お金がどのような暮らしの変化を通じてDNAの目印に作用したのかまでは明らかにされていません。
それでも、今回の結果は、家計と子どもの体の関係を眺めるだけの研究から一歩進んでいます。
実際に現金を給付することで、老化に関わるDNAの指標を動かせることが示されたからです。
研究チームは、もし変化が持続すれば、幼少期の経済的支援が将来の健康格差を小さくする手がかりになると考えています。






















