コマツナは市販の尿素肥料と「同じくらい」育った

研究チームは、その分解物を肥料として植物に与えた。
使ったのは、研究でよく使うシロイヌナズナと、食用のコマツナ。
育ち方は、市販の尿素肥料を与えたときと同じくらいでした。
可塑剤を含む材料から作った肥料で食べられる野菜を育てたのは、今回が初めてです。
以前の研究では、可塑剤を含まないPICそのものの分解物で同じ考えを示すにとどまっていました。
柔らかくできたことで、フィルムや袋のような、しなやかさが要る製品にも広げられるかもしれない、と研究チームはみています。
挙げられているのは、包装、袋、育苗ポット、農業用のマルチフィルム。
ナゾロジーでは以前、温めると気体になり、冷ませばまた固まるプラスチックの開発も紹介しました(熱すると気化し、冷やすと固まる新型プラスチックを開発)。
確かめられたのは、可塑剤を含む材料の分解物で食用のコマツナまで育てられた、というところまでです。
作りたての状態では、PICと可塑剤の相性はよいと確かめられました。
ただし今の材料は、分子量も機械的な性質も、高い性能が求められる用途にはまだ不十分です。
長く置いたときの安定性や、可塑剤がにじみ出てこないかは、これからの課題です。
工程全体で環境やエネルギーの収支がよくなるかどうかも、まだ十分には評価されていません。
丈夫さを求めて作られてきた材料に、柔らかさと、使い終えた後の行き先が同時に組み込まれました。
弁当のフィルムが、次の弁当のコマツナを育てる日が来るかもしれません。

























