人前より、二人だけの場のほうが効いていた

場面による違いが、はっきり出ました。
関係の良さとより強く結びついていたのは、人前ではなく、二人だけの場での心地よさのほうでした。
研究チームはこう考えています。
人前で手をつながなくても、二人きりのときに埋め合わせができていれば、関係はそれなりにうまくいく。
人前での気まずさは、その人の礼儀の感覚や、その土地の習慣のせいだと受け取れるからです。
部活の試合と練習を思い出してください。
人が見ている試合でうまく噛み合っているかより、誰も見ていない練習でどう動けているか。
チームの地力が出るのは、そちらのほうです。
一方で、平均の心地よさを考えに入れたうえで差だけを見ると、その負の関連は人前でとくに目立ちました。
同性のカップルと異性のカップルも比べています。
全体の傾向は、どちらもおおむね同じでした。
ただし同性の関係にある人は、人前での心地よさが平均して低く、相手との差も大きいと感じていました。
研究チームは、今も残る偏見と、安全への心配が背景にあると見ています。
もうひとつ、二人だけの場の心地よさが低いときでも、同性の関係にある人は関係の良さをやや保てていました。
人前での触れ合いを控えることが多いぶん、体に頼らない伝え方を育てているのかもしれない。
研究チームはそう考えていますが、確かめられた話ではありません。
研究チームは続けて、86組のカップルについて、二人の回答を突き合わせました。
推測ではなく、実際の一致とずれを見るため。
この分析でも、二人だけの場で実際の平均の心地よさが高いほど、関係の良さも高いという結果でした。
二人きりのときに合っているかどうかは、やはり強い目印でした。

とはいえ、実際のずれのほうを見た分析や、平均の心地よさを差し引いた分析では、結果は一貫しませんでした。
今回の調査は一時点の自己申告です。
触れ合いが満足度を生むのか、満足しているから触れ合うのかは、分けられません。
ずれを減らせば関係が良くなるのかも、確かめられていません。
相手の気持ちを自分がどう見積もっているか。そこが効いているという見方は、確かめ方のある問いを残します。
手をつなぐかどうかで悩む前に、相手が実際どう思っているかを一度聞いてみる。ずれの多くは、そこで消えるのかもしれません。

























