飲んだ後は溶けて消える紙の電池を開発、胃の中で機器を動かす
飲んだ後は溶けて消える紙の電池を開発、胃の中で機器を動かす / Photo by padrinan on Pixabay
artificial-intelligence

飲んだ後は溶けて消える紙の電池を開発、胃の中で機器を動かす (3/4)

2026.09.24 19:20:00 Thursday

前ページ紙の電池はどうやって電気を生み、分解される時期を決めるのか

<

1

2

3

4

>

ブタのお腹の中で、電池は本当に働いたのか

ブタのお腹の中で、電池は本当に働いたのか
ブタのお腹の中で、電池は本当に働いたのか / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究チームは、大きさの違う2種類の電池を作りました。

小さい方は直径7.5ミリの円盤で、標準的なゼラチンのカプセルにそのまま収まります。

実験室で測った電圧は約1.77ボルトで、飲み込む機器向けに市販されている亜鉛の電池(1.4ボルト)や酸化銀の電池(1.55ボルト)を上回りました。

電池の容量は1平方センチあたり2ミリアンペア時で、電気をあまり使わない回路なら動かせる量です。

大きい方は長さ24ミリの細長い板で、電圧は約1.84ボルト、容量は最大3.5ミリアンペア時でした。

MITの発表によると、胃液に似た強い酸の液に入れた試験では、電池は約3日ふつうに働き、その後ゆっくり力が落ちていきました。

次は、生きたブタの体の中です。

研究チームは電池を3Dプリンターで作ったカプセルに入れ、内視鏡(体の中に入れる細長い管)を使ってブタの口から入れました。

どちらの電池も最長3日働きましたが、分解が進むにつれて電圧も容量も下がっていきました。

大きい電池の電圧は、約1.8ボルトから1日後に1.6ボルト、3日目には約1.45ボルトまで下がっています。

小さい電池は、同じ3日間で1.7ボルトから1.35ボルトまで下がりました。

小さい電池で動かしたのは、RFIDタグです。

研究チームはタグを食道に置き、最大1.5メートル離れた受信機と通信させて、ブタが薬を飲み込んだタイミングを見分けました。

似たRFIDのセンサーは人でも試されたことがありますが、今回使ったものは実験用の品です。

大きい電池で動かしたのは、胃を電気で刺激するカプセルです。

刺激を与えると、空腹を感じさせるホルモン「グレリン」の血液中の量が増えました。刺激した場所に、目に見える傷はありませんでした。

胃の電気刺激は、胃が中身を送り出す速さが落ちる「胃不全麻痺」の人に、すでに使われている治療です。

ただし、電池で動く今回のカプセルはまだ実験段階のものです。

研究に加わっていないノースウェスタン大学のジョン・ロジャーズ氏は「大きな動物の胃腸を機器が通り抜ける間、電池が安定して確実に働いたのは見事だ」と評価しています。

次ページ人の体で使うまでに、何が残っているのか

<

1

2

3

4

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

AI・人工知能のニュースartificial-intelligence news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!