人の体で使うまでに、何が残っているのか

電池と部品は、胃腸の中で分解されました。
けれど胃の刺激に使った回路の基板は分解されず、ブタがそのまま体の外へ出しました。
ロジャーズ氏は「機器のすべての部品を体に吸収される材料にできれば、残った部品が胃腸に引っかかる危険をなくせるかもしれない」と話しています。
電池の容量も、まだ十分とはいえません。
ゴドシ教授は「この技術がさらに有望になるには、容量が一桁大きくなる必要がある」と指摘しています。
電池ごとの性能にも、ばらつきがありました。
研究チームは、層どうしの接し方、電解質の行き渡り方、ロウの厚さの違いなど、作り方に原因があると考えています。
トラベルソ教授が「一番大きな課題」に挙げるのは、電池が働く期間を調節し、分解の進み方を予測しやすくすることです。
チームは今、作り方をそろえ、ロウの膜を調整して、数時間から数日までの決まった期間だけ働く電池を目指しています。
そしてもちろん、人の体で安全に働くかどうかは、まだ確かめられていません。
電池といえば「長持ちするほど良い」ものだと、私たちはつい考えてしまいます。
けれど体の中では、「決めた時間だけ働いて、きちんと消える」ことこそが電池の腕の見せどころになりそうです。
いつか病院で「電池を飲んでおいてくださいね」と言われる日が来ても、どうか噛まずに飲み込んでください。



























