「周りはもっと嫌がっている」と知ると、気持ちも沈んだ

誰かに悪く思われていないかが、いつまでも頭から離れない。
こうした気持ちがとても強い状態を、心理学では「社交不安」と呼びます。
社交不安の特徴は、人から悪く評価されることへの強い恐れと、周りに受け入れられたいという強すぎる気持ちの2つです。
この2つが重なると、人は仲間外れにされないように、周りに合わせて身を守ろうとしがちです。
これまでの研究が主に調べてきたのは、顔の魅力の点数や、知識を問う質問など、外に出す意見の同調でした。
今回の研究チームが注目したのは、もっと内側にある「気持ちの同調」です。
気持ちの同調とは、ある場面で自分がどう感じそうかという気持ちを、周りの人の感じ方に合わせて変えてしまうことを指します。
チームは、社交不安の傾向を測るアンケートで社交不安の傾向が高かった若者22人と、とても低かった若者22人を比べました。
すると傾向の強いグループは、ほかの学生が自分より否定的に感じていると知らされると、あとで評価し直した時の点数をはっきり下げていたのです。
反対に、ほかの学生が自分より前向きだった時には、同じようには合わせていませんでした。
しかも傾向の強いグループは、とくに困ったことの起きない中立の場面まで、傾向の弱いグループより嫌なものとして評価していました。
これは最初の評価でも、評価し直した後でも同じでした。
研究チームはこれを、何ごとも悪いほうに受け取りやすい「否定への偏り」が全体に広がっている表れだと見ています。
研究を紹介した記事は、周りに合わせて気持ちを変え続けると、自分らしい感じ方が少しずつ削られ、後ろ向きな考えが強まるおそれがあると指摘しています。
人の評価に振り回される感じに覚えがある人には、気になる話でしょう。
ただし、これは若者44人という小さな研究の結果で、参加者は画像の場面に自分がいると想像して答えています。
また、2つのグループは、アンケートで測った社交不安の傾向の強さで分けられたものです。
では、目に見えない気持ちの揺れを、チームはどうやって確かめたのでしょうか?
そして、自分と食い違う声を見た後で否定的な場面を評価し直す時、脳では何が起きていたのでしょうか?



























