仕組まれた「ほかの学生の評価」で、気持ちの揺れを測った

実験の参加者は、電極のついた帽子をかぶって、パソコンの画面の前に座りました。
電極は、頭の表面から脳の電気信号を拾うセンサーです。
画面には、人づきあいの場面をえがいた画像が、全部で300枚映し出されます。
半分は中立の場面で、残りの半分は人づきあいの中で脅かされるような、否定的な場面でした。
参加者は1枚ごとに、自分がその場面の人物になったと想像します。
そして、その場にいたらどれくらい心地よいか、あるいは嫌な気分かを、9段階で答えました。
答えを決めるとすぐに、画面に「以前に同じ画像を見た大学生200人の平均点」が表示されます。
ところが実は、この点数は研究チームがあらかじめ決めておいた作りものでした。
全体の3分の1では参加者と同じ点数が、別の3分の1では少し前向きな点数が、残りの3分の1では少し否定的な点数が示されたのです。
つまり参加者は、「周りも同じ」「周りはもう少し平気」「周りはもう少し嫌がっている」という3通りの反応を、知らないうちに見せられていたわけです。
そのあと参加者は、30分の休憩をとりました。
休憩が終わると、同じ画像をすべてもう一度評価しますが、今度はほかの学生の点数は出てきません。
1回目と2回目の点数を比べれば、周りの評価を見たことで、その人の見込む気持ちがどれだけ動いたかが分かります。
こうして浮かび上がったのが、先ほどの「否定的な声には合わせ、前向きな声には同じようには合わせない」という偏りです。
研究を紹介した心理学ニュースサイト「PsyPost」の記事は、傾向の強い人たちが、自分の恐れを裏づける情報を選んで取り込み、恐れに反する情報をほとんど受け流していたと説明しています。
とはいえ、点数の変化だけでは、頭の中でどんな処理が起きていたのかまでは分かりません。
そこでカギになるのが、同じ実験で記録していた脳の電気信号です。



























