「音の粒1個」が消える瞬間を初めて観測
「音の粒1個」が消える瞬間を初めて観測 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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「音の粒1個」が消える瞬間を初めて観測

2026.09.29 13:20:00 Tuesday

お寺の鐘がゴーンと鳴ったあと、その余韻がだんだん小さくなっていくのを、つい最後まで聞き届けてしまうことがあります。

私たちの耳には、音は途切れることなく、なめらかに消えていくように聞こえます。

では、音の消え方をとことん小さな単位までのぞき込んだら、最後の最後はどうなっているのでしょうか。

米スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームは、音叉のように震える極小の装置を使って、この「音の消え際」を見届けることに挑みました。

研究内容の詳細は2026年9月17日に『Science』にて発表されました。

Scientists Just Watched a Single Quantum of Sound Vanish for the First Time (SciTechDaily) https://scitechdaily.com/scientists-just-watched-a-single-quantum-of-sound-vanish-for-the-first-time/
Quantum jumps of sound https://doi.org/10.1126/science.aeh7535

音にも「粒」がある? 最小単位「フォノン」とは

音にも「粒」がある? 最小単位「フォノン」とは
音にも「粒」がある? 最小単位「フォノン」とは / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

光に「光子(フォトン)」という最小のかたまりがあるように、音にも「フォノン」と呼ばれる最小の単位があります。

フォノンは、たくさんの原子がそろって揺れ動く、その動きのひとかたまりを表すものです。

量子力学は、震えている物体のエネルギーが連続した量ではなく、とびとびの「かたまり」になっていると予言しています。

つまり音のエネルギーも、ミクロの世界では粒の数で数えられるはずなのです。

ところが、このとびとびの性質は、物体がどれだけ揺れているか(位置)をいくら測っても見えてきません。

粒の数を1つずつ見分けるには、揺れの大きさではなく、エネルギーそのものに反応する、まったく別の種類の測り方が必要になります。

しかも量子の状態はとても壊れやすいため、その状態を乱さずに何度もくり返し確かめられる検出器でなければなりません。

そのため、フォノンがたった1個消えていく様子を、時間を追って直接見届けた例はこれまでありませんでした。

最後の1粒は、鐘の余韻のようになめらかに薄れていくのか、それとも別の消え方をするのか、その瞬間を実際に確かめる必要があったのです。

次ページ音の「最後の1粒」は、どんなふうに消えたのか?

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