すねの骨を押されたマウスとブタの脳に、何が起きたのか?

結果は、研究チームの疑問に「恩恵はある」と答えるものでした。
すねの骨に圧縮の刺激を加えたマウスでは、脳卒中や外傷性脳損傷のあとに生き延びる個体が増え、運動機能と認知機能の回復が進んだのです。
同じような効果は、外傷性脳損傷を起こしたブタでも確認されました。
マウスだけでなくブタでも同じ方向の結果が得られた点は見逃せません。
研究チームは、脳の中で何が起きていたのかも調べました。
すると骨への刺激によって、外傷性脳損傷のあとに失われる神経細胞が少なくなっていました。
さらに、長引く炎症や、脳のけがのあとに見られる反応の一つ「アストログリオーシス(アストロサイトという脳の細胞が増えて活性化する反応)」も弱まっていました。
加えて、神経細胞の再生も促されていたのです。
つまり骨への刺激は、脳のダメージを抑える方向と、脳を立て直す方向の両面で働いていたことになります。
脳から遠く離れたすねの骨を押すことが、脳の中の変化にまでつながっていたのです。



























