「薬が効かないてんかん」と大麻の2つの顔

てんかんの中には、薬をきちんと選んで試しても発作が治まらないタイプがあります。
適切な抗てんかん薬を2種類以上試しても発作が続く状態は、「薬剤抵抗性てんかん」と呼ばれます。
こうした患者さんが入る専門の病棟が「てんかんモニタリングユニット」で、医師が発作をその場で観察し、薬の調整や手術の必要性を見きわめます。
この病棟への入院は、それまでの薬で発作を抑えきれなくなったというサインでもあるのです。
大麻の成分のうち、精神作用のない「カンナビジオール(CBD)」を精製した薬は、小児期に始まる一部の重いてんかんの治療薬として米国で承認されています。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(大麻の成分CBDが抗生物質として機能するかもしれない 淋病などの「耐性菌にも有効」)
ただしこの薬には、THCはまったく含まれていません。
動物実験では、CBDが発作を抑える一方で、THCは条件によって逆に発作を起こしやすくする可能性が示されています。
そして今、嗜好用に売られている大麻は、THCが非常に多くCBDがごくわずかな製品が中心です。
つまり「てんかんの薬になる成分」と「店で買える大麻」は、中身がまるで違うのです。
今回の研究の対象は、2019〜2024年にウィスコンシン大学の専門病棟に入院した、薬剤抵抗性てんかんの成人64人です。
入院前1年間のカルテの記録から、月20日以上大麻を使っていた22人と、使っていなかった42人に分けて比べました。
注目したのは、発作が始まってから入院までの年数、全身のけいれんに広がる発作の有無と回数、使っている抗てんかん薬の多さです。




















